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ハーメルンの笛吹き男 [本:歴史]

「ハーメルンの笛吹き男」著:阿倍謹也(ちくま文庫) 7.5点

有名な「ハーメルンの笛吹き男」という童話は実話が基になっているのは知っていた。

子どもが行方不明になった原因を何となく「アルビジョワ十字軍」だと思ってた私(^^;)。

いやぁどこでそんな間違った知識を仕入れたのでしょう・・(爆)。

ハーメルンはドイツで、アルビジョワ十字軍はフランスの話だし・・。

調べてみたら、年代すらアルビジョワ十字軍は1209~1229年、ハーメルンの事件は1284年と、思いっきりずれてます。

「ハーメルンの笛吹き男」の基になった事件の研究というのはかなりされているらしく、いろいろな説があるらしい。

この本ではそれらの説を取り上げ、曖昧な点、真実に近いと思われる点を指摘しつつ、事件の真相について探ろうとしている。

子ども十字軍説(この辺とアルビジョワ十字軍がごっちゃになったと思われる(^^;))、東方移民説、事故説、誘拐説、狂信的な鞭打ち苦行者(カタリ派なのかな?)に同行説・・・etcといろいろな説があるんだなぁと思った。

そしてこの本の場合、事件の真実だけを追うというのではなく、事件が起きた時のハーメルンの町の庶民の様子、特に歴史的に抹殺された存在である賤民の存在や、中世都市の階級による差別と時代の移り変わりにスポットをあてている。

初期の伝説では鼠の話は無く、子ども達130人が行方不明になった事だけだったのが、時代の移り変わりとともに、「鼠捕り」の話と融合していく様子と宗教改革との関連などは興味深かった。

 

 

 

 

 


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