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「ビルマ最前線」 小田敦巳 [本ノンフィクション:戦争・戦記]

「ビルマ最前線 白骨街道 生死の境」 著:小田敦巳 (光人社NF文庫) 6.5点

昨年「死の島ニューギニア」(著:尾川正二)という戦記物を読み、当時の兵士の悲惨な状況や極限状態の人間の心理など、ちょっとカルチャーショックを受けたので、それ以来ポツポツと第二次世界大戦関係の戦記物を読んでいる。

といっても、地理的な物に詳しくないと状況が理解しにくかったりするので、ニューギニア関係と、インパール関係のがほとんど。その上、文庫で読みたいので、ついついそのシリーズを出している「光人社文庫」ばかりを読んでいるので、偏ってる気もします(^^;)。

で、今回読んだのは「ビルマ最前線」。白骨街道とあったのでインパール関係かと思ったけど、インド国境地帯の話ではなく、ビルマ中部から南部を中心とした話。白骨街道というと、ビルマのマンダレーより北(ビルマ北部)という印象があったのだけど、違うのかな?

場所は違えど、戦場の兵士が物資不足による飢えや、マラリアに苦しみ、その過酷な状況により戦闘による死ではなく、撤退の際バタバタと倒れていった・・というのは他のインパール関係の戦記と同じである。綿密な計画も立てず、兵士をまるでコマのように扱った当時の日本軍の状態がよくわかる。

この本の著者は「ドイツ・イタリアが負けた」と聞いても、圧倒的な敵の物量を見ても、日本が負けるという考えは浮かばなかったらしい。戦記物は、著者の性格や考えがジワジワと滲み出している気がするが、この著者の場合、国の批判、作戦への疑問などはあまり持たず、純粋に上の命令に従い、お国の為に命をかけて戦うタイプであったのでは無いかなと思った。このような兵士達が前線を支えていたのかもしれない。

ビルマ戦で、「トラによる被害の噂を聞いた」というのは他の本で何度か読んだが、この本では実際トラによる被害にあっており、珍しかった。

 


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