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「ビルマ軍医戦記」地獄の戦場・狼兵団の戦い [本ノンフィクション:戦争・戦記]

ビルマ軍医戦記―地獄の戦場狼兵団の戦い

ビルマ軍医戦記―地獄の戦場狼兵団の戦い

  • 作者: 三島 四郎
  • 出版社/メーカー: 光人社 発売日: 2005/03 メディア: 文庫 7点
第二次世界大戦中、ビルマに派遣された見習軍医の奮闘記。
 
今まで読んだビルマ関係の戦記は、インパール関係が多かったので、壮絶なものが多かったが、これはビルマ戦記と言っても、前線を遠く離れラングーンからあまり遠くないペグー近辺に中心に描かれているので、絶望感、悲壮感が溢れるものではなく、どちらかというとのんびり(それでも戦場ではあるので、普通ののんびりとは違うが)した雰囲気がある。
またこののんびりした雰囲気というのは、作者の大らかな人柄からの影響からかな?と思うほど、作者の性格が伝わってくるような本である。
 
この本を読むと、同じ国へ配属されても、どこに配属されるかで兵士の置かれる状況が全く違って来るという事がよくわかる。また「軍医」という特殊な立場のあり方もわかる本でもある。
 
「軍医」というのは、上下関係・戒律の厳しい軍の中では、そのシガラミからかなり外されている立場にいるのだなと思った。これは、いかに階級の高い将校であろうと、負傷したら軍医の世話になるしかないという事の影響が大きいようだ。
 
この本では、最前線という緊迫した状態の兵士の様子でなく、これから前線に向かう兵士や戦線から離れた状態の兵士の様子や生活を知る事ができ、興味深い。
 
背表紙の粗筋に書いてあるが、見習士官というだけあって、戦場に送られた時点での、作者の医療技術の怪しい事(^^;)。今ならこんな医者のお世話になるのは怖くて絶対避けたいと思ってしまうぐらいだが、戦場では、医師の手当てを受けられるだけでも幸せだったりする事も多かったのだろう。また作者が戦場で経験を積んでいく様子も伝わってくる。
 
のんびりした雰囲気があるこの本でも、敗戦色が濃くなり、撤退する状況になると一気に緊迫感を増し、少し前までのんびりしていた場所でも戦場である事に変わりはないのだなと思わせてくれたりもした。
 

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