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「なぜ家族は殺し合ったのか」 (北九州・監禁連続殺人事件-地裁判決は死刑でした) [本ノンフィクション:実録犯罪・犯罪史]

なぜ家族は殺し合ったのか

なぜ家族は殺し合ったのか

  • 作者: 佐木 隆三
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2005/06/01
  • メディア: 新書
  • 9点
 
先ほどネットでニュースを見ていたら、この事件の地裁での判決が出た模様。
判決は、共犯者2人に死刑判決。
さて、この事件、監禁虐待されていたと思われる少女が逃げ出した事から発覚。その後、他にも監禁されていたと思われる子どもが数名発見されたが、捕まった犯人2人は名前すら名乗らず、最初は「夜逃げ屋」絡みの事件かと思われた。
しかし、逃げ出した少女の父親が殺されたらしいという事から、事件は監禁虐待事件から殺人事件へ変わってく。
しかし、その後の調査で、もっと驚くべき事が判明。逮捕された男女一人ずつの犯人の内、女性側の家族6人が全員行方不明となっている事がわかり、事件は連続殺人事件へと発展していったのだ。
ワイドショーなどで知った事件の概要はこんな所。しかし、事件の全容はほとんどわからないままでいたのだが、この本を読むことで、想像以上に恐ろしい事件の様相がわかった。
支配する側と支配される側。オウム事件や、看護婦達が共謀して夫を次々に殺害した事件など、今までも複数犯による殺人事件の場合、リーダーがおり、実際手を下していないが、実行犯達は、その影響下の元、流されるように殺人を犯してしまったケースと思われるものが多々ある。
この事件も松永太被告の支配の元、緒方被告の親族同士が松永被告の顔色を伺うように、次々と親族同士で殺し合いを繰り返したと思われる。
支配する者の恐ろしいところは、一度その罠に絡めとられると、知らず知らずの内に逃げられなくなってしまう事である。もう一人の犯人緒方純子被告とその家族が、松永被告の支配化に置かれるまでの様子、そして、互いに殺しあうようになる過程が克明に描かれている本である。
松永被告は一貫して、自分は殺害の指示を出していないと、容疑を否認していたが、福岡地裁の判決は両名とも死刑であった。
死刑制度を擁護する訳では無いが、この事件の主犯とされている松永被告や、もう一冊同時期に読んだ「一家四人惨殺犯の告白-19歳」(著:永瀬 隼介)の犯人の事を考えると、死刑制度も必要なのかもしれない・・・と思ってしまう。
底が見えないほど恐ろしい「悪」、それをこれらの犯人から感じるからである。

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