SSブログ

「気象遭難」「生還-山岳遭難からの救出」 [本ノンフィクション:冒険・登山、遭難]

ドキュメント気象遭難

ドキュメント気象遭難

  • 作者: 羽根田 治
  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 2003/05
  • メディア: 単行本
  • 7.5点
生還―山岳遭難からの救出

生還―山岳遭難からの救出

  • 作者: 羽根田 治
  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
8点
 
同じ著者による山岳遭難を扱った本を読んでみた。
 
最初に読んだのは「気象遭難」。
山岳遭難といっても原因はいろいろ。その1つ1つに対して事例を取り上げ遭難しない為にはどうすればよいかという事を考察している。
 
「落雷」「雪崩」「低体温症」「凍死」「異常降雪」「突風」「暴風雪」などが原因の遭難について、その時の詳細が取り上げられている。
山の天気は変わりやすいと言われるが、その恐ろしさがわかる本でもある。
また、山登りをするのなら、天候の変化を事前に予測できる事が大切という事で、遭難事故が起きた時の天気図も掲載されている。
 
印象に残ったのは、ヒマラヤ登山の経験もある面々が揃ったパーティの遭難だ。
このパーティの4人は、遭難してもあまり悲壮感が無い。すぐに、1日に食べる食料の配分を決め、救助を要請するべきか、ここで諦めるべきかの相談をしていたりする。
前にも後ろにも行けなくなってしまい雪山で遭難したのに、どこか余裕があるのが凄いと思ってしまった。
 
また「凍死」の項目では、中高年登山ブームに冷水を浴びせた、中高年の登山パーティによる大量遭難死が取り上げられている。
ここで生死を分けた理由の1つは装備のよさだったとも言われている。
山に登るのであれば、最低限の装備は必要という事なのだろう。
 

生還-山岳遭難からの救出」の方は、遭難したが助かった人々の話である。
 
数日から数週間にわたる遭難から生還した人の精神力は、尊敬に値すると思った。
 
ほんのちょっとした判断ミスから道に迷い遭難する・・登山をしていれば誰でも可能性がある事と本書では言っている。
 
道に迷った時、人は「後少し行けば、後少し行けば」と引き返さずに進んでしまい、結局どうにもならない状況に陥ってしまうという。
道に迷ったと思ったら即引き返すのが重要なのだという。
 
また動き回らないのも大切なのだという。自力下山できる確率と、定位置に留まり救助を待つのでは、救助を待つ方が助かる確率が高いという。
 
両方とも耳が痛い(^^;)。
登山はしないけど、もし山登りの最中「道に迷った」と思っても、「もうちょっと行けば・・」と前進しそうだし(日常ではそういう事はよくある、で結局迷う(爆))、遭難だと思っても、どうにかして自力で下山しようとしてしまいそうな、いや絶対じたばた悪あがきすると思われる自分がいる。
 
その場でじっとして、救助を待つというのは、並大抵の努力でできるものではないと思う。
まだ元気で動けるのに、その場でいつ来るかわからない救助を待つというのは、出来そうで出来ない事だろう。
 
救助を待つ間の精神状態、救助につながった工夫、心のより所となった物など、生還した人達の話からは、登山だけでなく、極限状態における心構えを学ぶ事ができると思った。
 
どちらか読むならこちらの方がお勧め。
極限状態におかれても冷静に対応し(最初から冷静だったら遭難しなかった訳なんだけど、極限状態に近付くにつれ冷静になれるというのは凄いと思った)生還した人々の素晴らしさにも感動できる。
 

nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(1) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 2

かめきち

chokoさん、こんにちは~。
そうなんですよね、私も遭難したら「その場を動かない」なんてことできない、
不安で恐ろしくて無駄に動き回り体力を消耗しそうです(><)
私はこの2冊を読んでから、登山中によく振り返るようになりました。
景色を覚えておいて、「迷ったらここまで戻ればいいんだ」てな感じで。
さて、いざというときに実行できるでしょうか笑
by かめきち (2006-06-19 18:18) 

choko

こんにちは、かめきちさん(*^▽^*)。
やっぱり「その場で待つ」って勇気がいる行動ですよね。
登山関係の本を読んでいると、登山をする方の多くが、山中のその場その場の景色を覚えているのにびっくりします。
割とそういうの苦手なので、覚えようとしても私はダメかも(^^;)。
何もトラブルが無いのが一番なんですけどね~。
山登り(特に雪山)の時は、かめきちさんも気を付けて下さいね!
by choko (2006-06-19 19:28) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。