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「ダイエットがやめられない-日本人のカラダを追跡する」 [本:ダイエット・掃除・クッキング]

ダイエットがやめられない―日本人のカラダを追跡する

ダイエットがやめられない―日本人のカラダを追跡する

  • 作者: 片野 ゆか
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/09
  • メディア: 単行本

7.5点

現在の私のマイブーム「ダイエット」。
まぁ「ダイエット」してるからというのもあるんだけど、 ダイエットするからにはちゃんと調べたいと思って、本を探してもなかなか読みたいのが無い。
 
ダイエットの本はいっぱい出ているけど、ほとんどが「どうやって痩せるか」のHow toもので、本でお勧めしている方法に都合の良いデータや情報しか載っていなかったり、内容的に胡散臭いとしか思えないものが多かったり(-_-;)。
「○○で痩せる」って方法が絶対なら、肥満で悩む人はいなくなるよなぁと思っちゃうので、「簡単に痩せられる」っていうようなキャッチの本はまず読む気がしない。
その時は、痩せられても、多くはリバウンドの危険をはらんでいるものだったりするし。
 
ダイエットの成功者は少ないデータだと5%、多いデータだと30%ぐらい、ところがこれを3年から5年維持できているのは、成功者の中のほんの一握りというデータが多い。
ダイエットするより維持する方が何倍も難しいし、リバウンドは、太ったままでいるより何倍も健康に悪い。
体型もどんどん崩れる。
 
という事で、読みたいダイエット関連本が無いなぁと思っていた時、見つけたのがこの本。
タイトルから現在の「日本人総ダイエット状態」を鋭く切る本かと思って読んだのだけどちょっと違った。
 
著者自身もダイエットを何度か試みており、「どうして挫折するのか?」「もっとラクできないのか?」などを、著者の体験や統計を元に論じる本だった。
「まだデータが足りないのでは?」「その推論はどうかな?」と思う部分も多かったけど、それでもこういう風にダイエットを肯定的に、そして全体的に捉えて論じている本というのは少ないので、それだけでも価値がある本だと思う。
 
本の前半は、日本人の体型や、マネキンのサイズの変化から推測したり、いつ頃から「痩身」が意識されるようになったかの調査、現代の女性が求める理想の体など、日本におけるダイエットの歴史や意識の変化を追っている。
現在の20代前後の女性の痩せの割合の多さにびっくり。また40代に入ると、肥満の割合がグンと増えていくのも興味深かった。その辺りの理由は、もう少し突っ込んで調べて欲しかったなぁというのが正直な感想。簡単な推論だけで終わってしまっている。
 
「どうして挫折するのか」の章にはいろいろ興味深いことが書いてあった。
満腹中枢と関係があるレプチンや、肥満と遺伝子の関係についての解説など科学的な説明があったり、それだけでは納得できない太る理由についての言及や、考え方をかえるダイエット法や、体重計に乗らないダイエット法など、何種類かのダイエットが紹介されている。
 
体重計に乗らないダイエットは、体型重視のダイエットだという。
食事制限などで体重を急激に落とすと筋肉が落ちて、「痩せる」ではなく、「やつれる」になってしまうという事を指摘し、「見た目に変化がほとんど無い痩せ方をして、後二キロ後二キロというのは自己満足の世界だ」と厳しい。
体重に惑わされず、自分の体型を把握し、エクササイズにより引き締めていくのがいいという。
著者は、この方法を提唱するトレーナーの指導の元、チャレンジするのだけど、挫折している。
その理由についての言及は、同感できるものだった。
 
他に、この章で面白かったのは、低炭水化物・高たんぱく質・・・その他、とにかく食事制限をして体重を一気に落とすダイエットは、体重を増やすのにとても効果的だという話である。
 
よく、無理な食事制限をするとリバウンドしやすい、という話は聞くけど、それを実際に「太れなくて悩んでいる人達」に実践させたら、みんなどんどん太ったというのだ(^^;)。
 
方法は、簡単。数日間、食事制限をさせて体重を落とさせる、その後前の食事に戻す、それだけで以前の数値より体重が増えるというのだ。
この試みがほんとうなら、即効性のある食事制限ダイエットをやっている人達は、太る為に頑張っているということになる。
 
ただ、ダイエットの難しいところは、上記のようなダイエットをして成功する人もいるという事である。リバウンドする確率がどれだけ高くても、成功者がいればトライする人は多いのだ。
極端な食事制限ダイエットは「痩せ過ぎで悩む人のための増量プログラムとして効果的」というのを目の当たりにして、著者自身もショックを受けていたが、この事を多くの人が知ったら、無理な食事制限をする人も減るんじゃないかなぁと思った。
 
「もっとラクできないのか?」「手術はてっとりばやいのか?」の章では、痩せる薬、サプリメント、手術など、ダイエットをしている人には気になる情報について取材している。これに関しては、もう少しいろいろな情報が欲しかったなぁとも思ったけど、それでも手術に関しての取材などは、面白く読めた。
 
ダイエットをしている人、これからやろうと思っている人には、参考になる本だと思う。

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コメント 4

コステロ

私も現在ダイエット中、(と言うよりも減量中)なので、
ナカナカに興味がありますが、
こういった本の多くは女性向けなんですよね。

女性と男性とでは、違ってくる部分も多くあるでしょうし、
かと言って男性向けの本ですと、
最終目標は「やせる」ではなく「マッチョになる」だったりしますし(笑
by コステロ (2007-12-20 10:50) 

choko

コステロさん

「ダイエット」本というと女性向けって感じですよね。

確かに男性向けは「筋トレ」メインな気が(笑)。
「ビリーザブートキャンプ」(私もやってますが)が受けたのも、男性でもできるエクササイズDVDだったからかもしれません(他のDVDの多くは明らかに女性向けですし)。

この本も、女性に関する事がメインでしたが、ちょっと男性のことにも触れられていました。
女性が、標準や痩せなのに「自分は太っている」と認識している人が多いのに比べ、中年男性は、明らかに肥満なのに「標準」と認識している人が多いとか。
中年ぐらいになると、体格がよい人が増えて、それが「普通」になっちゃうからでしょうかね?(^_^;)
by choko (2007-12-21 20:06) 

コステロ

>中年男性は、明らかに肥満なのに「標準」と認識している人が多いとか。

うはッ!耳が痛い!(笑
by コステロ (2007-12-22 10:29) 

choko

いえいえ、コステロさんは、減量中とのことなので、自分の事はちゃんと客観的に見ていらっしゃると思いますよ~(^^)。

それにズバリ当てはまるのは家の主人です。
以前、服を買う時、サイズアップしてて愕然としてました(^^;)。
by choko (2007-12-23 03:08) 

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