「獣の夢」中井拓志:テーマは面白いんだけど [本:ホラー&ミステリー]
- 作者: 中井 拓志
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/01
- メディア: 文庫
6.5点
小学校の屋上で、あるクラスの生徒達が遊んでいる最中、1人が事故死、その遺体を他の生徒達がバラバラに切断するという猟奇的な犯罪が起きた。
そして、9年後、その事件の中心人物とも言える少女が、「獣が戻って来る」と不気味な台詞を言う。
その言葉通り、その小学校の屋上で、バラバラ殺人事件が起きる。
その事件を捜査する刑事と、その捜査を自分の思うように操ろうとする中央から来た犯罪心理捜査官。
「獣」とは?事件と少女との関係は?サスペンスホラー。
ある事件が起きるとそれと似たような事件が起きる。そこにはマスコミが大きく関わっている。
マスコミによる情報拡大と、それによる模倣事件。そこに、言葉が人の意識の水面下に与える影響を絡めた作品。
テーマは面白いんだけど、キャラクターに魅力がなく、特に、マスコミによる模倣事件の拡大を恐れる心理捜査官が変に冷静なリアリティの無いキャラクターで緊迫感が半減している。
他のキャラクターも、個性・魅力に乏しくて、「誰の台詞?」と読み直してしまうこともしばしば。
勿体無いなーと思ってしまった作品。
なんか相変わらず行間の調整がうまくいかない(-_-;)。
さぼってたのは、行間のせいじゃないけど。書いてない覚書がたくさんあるよーー。
プロットは面白そうですね。
同じく角川ホラーにおける「繰り返される過去の犯罪」といった点では
今邑 彩著の『赤いべべ着せよ』と言うのがあって、コレはナカナカに良かったですよ。
by コステロ (2008-04-08 10:52)
コステロさん
そうそう、内容的には面白そうなんですよね~。
だからこそ、もったいないです(>_<)。
「赤いべべ着せよ」は、子供を連れて里に戻った女性が主人公の話でしたよね。
以前読みました~。
確かに、この本は緊迫感もあったし面白かったです(^^)。
by choko (2008-04-09 00:12)