「TENGU」柴田 哲孝著:キワモノになりやすい素材を巧く使ってるミステリー [本:ホラー&ミステリー]
7.5点
寒村を襲った悲惨な連続殺人事件。
殺された人々は、頭蓋骨を手で握りつぶされたり、食いちぎられたり、
人間業とは思えないむごい状態で殺されていた。
しかし、犯人は捕まらず、事件は未解決のままに。
26年後、事件の捜査ファイルを手にした記者が、再び事件を調査しはじめる。
唯一残された犯人の体毛のDNA解析結果や、当時の米軍の不振な動きが明らかになるにつれ
恐るべき事実が見えてくる。
ミステリー仕立てで、ホラー的な素材を扱いつつ、ミステリー色をしっかり残しているのがすごい。
この手の話は、一歩間違うと、後半キワモノとかホラーよりになり、種明かしの段階でがっかり・・って
なってしまうものも多いんだけど、そうなっていないところに、著者の力量を感じる。
同時多発テロの要素は、ちょっと違和感を感じたけど、
徐々に解き明かされる謎、過去と現在のリンク、閉鎖的な寒村の複雑な人間関係、
それらが上手く組み合わされ、飽きずに最後まで読める。
お勧めです(^_^)。
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