「火災鑑定-放火犯は自宅に火を放つ!」小林良夫著:保険金狙いの放火犯との戦い [本ノンフィクション:実録犯罪・犯罪史]
7点
年間1万件ある放火の疑いのある火災の3割が、保険金狙いで自宅などに火をつけたものだという。
死傷者が出なかった火事の場合、簡単な調査で、警察・消防は失火による火災と
結論づけてしまう事が多いらしい。
しかし、その中でも放火の疑いが濃いものに関して、保険会社からの依頼により、
放火なのか失火なのかを調査するのが著者の仕事である。
現場に残された放火の痕跡がどのようなものか、
どうやってその痕跡を探し出すのか、
どのような点から放火な可能性が高いと推測するかなどが、解説されている。
一部警察から依頼された死傷者が出た事件の話なども取り上げられている。
延焼の度合いによる火元の鑑定、火災現場の調査については、
少し前に読んだ「実録・死体農場」の方が、詳しく書かれていて面白かった。
でも、放火犯と思われる被害者(加害者)との駆け引きや裁判の様子、
プロの火付け人と思われる人物や組織の話など、興味深いネタが多かった。
それにしても、保険金目当ての自宅への放火がこんなに多いとは、びっくりでした。
大工さんと結託して、ものすごく安く建てた家に多額の保険金をかけて
入居前に放火するなんて事もあるらしい。
保険会社の方も、3000万の保険金の支払いに対して、
5000万以上の調査費用をかけて調査したりもするという。
世の中、思った以上にいろいろな犯罪があるのだと実感する一冊でした。
2010-02-07 01:48
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0