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「虐殺器官」伊藤 計劃:日本のSFも捨てたもんじゃないっ! [本:SF]


虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

  • 作者: 伊藤 計劃
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 単行本

8.5点

文庫版「虐殺器官 (ハヤカワ文庫 JA イ 7-1)」が出たのを記念して、
下書きのまま放置してあったのをサルベージ!

これ、面白かったんですよ、すっごく。
でも褒めるのって、ダメだった事を書くより難しくて、
途中で放置してしまいました(そういう本かなりある(^^;))。

「SFが読みたい!2008年版国内編」で1位になった作品。

帯に「イーガンの近未来で「地獄の黙示録」と「モンティ・パイソン」が出会う」
という紹介文が書いてあるんだけど、読んで見て、確かにそうかも・・・と思ってしまいました。

イーガンと地獄の黙示録が好きな私としては、かなり好みな内容。

極端に管理された先進国。
そして、民族虐殺が立て続けに起きる発展途上国。
民族虐殺の影に、謎のアメリカ人ジョン・ポールの姿が見え隠れする。
アメリカ軍所属の主人公は、ジョン・ポールを追う。
「虐殺器官」とはいったい何なのか・・?

イーガンほどの、アイディアの濃厚さ、社会の歪さはないけど、
バイオテクノロジーの発達した近未来世界を上手く描いていて、それだけでも楽しめる。
特に、バイオテクノロジーによる兵器は面白かった。

そして戦場の描写は、主人公が自分のモラルや深層心理と対自する様や狂気を上手く絡めて、
「地獄の黙示録」の様な、何とも言えない雰囲気を作り出している。

立て続けに虐殺が起きる理由、ジョン・ポールの謎など、
ストーリーも飽きさせないものになっているし、ちゃんと世界観が構築されているのが素晴らしい!

これを読んで「日本のSFもまだまだ捨てたもんじゃないっ!」って思いました。

超お勧めV(≧∇≦)V!
文庫が出たから手に取りやすくなったしね(^^)。
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コメント 2

ちょび

この方、去年なくなられたんですよね。とても残念で。

すごく評判がよくて読もうかなぁとずっと思っていたんですが、まだ(^_^;)

日本SFは一時「ちょっとなぁ」って思っていたのですが、この5年くらいで「おお!」と思う作品も多いです。
by ちょび (2010-02-19 10:03) 

choko

ちょびさん

伊藤計劃亡くなってたんですか~Σ( ̄ロ ̄lll)!!!
期待していた作家さんだけに、大ショックです(T_T)!!

日本のSF、最近、いい作品でてますか♪
注目の作品&作家がいたら是非教えてくださいませ(^^)♪
by choko (2010-02-19 14:43) 

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