「運命の雪稜-高陵に逝った友へのレクイエム」神長幹雄著: [本ノンフィクション:冒険・登山、遭難]
6.5点
著者は「山と渓谷」編集長。
「山と渓谷」誌上に掲載された、著者による国内外の山岳遭難に関する記事を集めたもの。
「空へ」「デスゾーン」などで有名なエベレストの大量遭難事故に関するものもあるが、
これも、日本人女性2人目のエベレスト登頂成功者難波洋子さんを中心に書いたもので、
基本は日本人の国内外の遭難事故がメイン。
ナンガ・パルバット、鳥取(?)大山地獄谷、ヒマラヤ・トゥインズのヒドンクレバス、
冬期富士の突風、ネパール・トレッキング、ウルタル、カンチェンジュンガなどが舞台。
登山などをする人向けだと思われる「山と渓谷」に掲載されていたせいか、
専門用語なども多く、情景描写も簡単で、登山をしないものにとっては状況がわかりにくい事も。
また、一つ一つの記事もじっくり取材してというよりは、あっさりまとめたという感じなので、
物足りなさを感じる。
記事を一冊の本にまとめるのにあたって、関係者(ほとんどが遺族)からの寄稿文を掲載したり、
数年後の関係者を取材しているのは、興味深く読めたけど。
でも、もうメインの記事にもう少し読み応えが欲しかった。
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