「長谷川恒男-虚空の登攀者」佐藤稔著:アルプス三大北壁を制覇した男の生涯 [本ノンフィクション:冒険・登山、遭難]
6点
同著者による「狼は帰らず―アルピニスト・森田勝の生と死」が面白かったので、
森田勝がライバル視していた長谷川恒男に関しての本も読んでみました。
長谷川恒男は、アルプス三大北壁を制し、いくつかの著書を著し、記録映画も撮られ、
自分が興した山岳ガイドの会社も起動にのり・・とアルピニストとしては、
かなり成功した人である。
長谷川恒男に関しては、温厚で、物静か・・・そんなイメージがあったけど、
本書では、そういう面だけでなく、プライドが高く、一番に固執した彼の別の面も描かれている。
またロッククライミングに関しては、天賦の才があったようだ。
ただ、長谷川恒男自身について、予想していたより掘り下げて書かれてはおらず、
日本の登山や登山会の歴史の変遷が中心・・・という感じで残念。
また森田勝に関する記述は、「狼は帰らず」とほぼ同じ文章が使われていると思われる場所も多かった。
長谷川恒男に関して知りたいと思って読むと、物足りなさがかなり残る。
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