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「メタルギア ソリッド-ガンズ オブ ザ パトリオット」伊藤計劃:元ゲームをやってないのが残念! [本:SF]


メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)

メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)

  • 作者: 伊藤 計劃
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/03/25
  • メディア: 文庫
7.5点

コナミの人気ゲームメタルギアシリーズの「メタルギアソリッド4」のノベライゼーション。

虐殺器官」「ハーモニー」などの名作を生み出した伊藤計劃によるものなので、
単なるノベライゼーションに留まらず、小説としても完成度の高いものになっています。

「戦争経済」が発達し、企業による代理戦争が繰り広げられる世界。
ネットワークが発達し、ID管理される武器や兵士。
兵士は体内に注入されたナノマシンにより、感情や痛みを制御され、敵を殲滅する。
主人公ソリッド・スネークは、「ビッグボス」のクローンであり、
生み出された際に遺伝子に組み込まれた仕掛けにより、急激な老いを迎えていた。
70歳を超える衰えた肉体を持つソリッド・スネークが挑むのは、
「全世界的戦争状態」を作り出そうとする同じクローン体の、リキッド・スネーク。
余命僅かなソリッド・スネークは任務を果たす事ができるのか。

とにかく、序盤読み進めるのが辛かった・・・。

ノベライゼーション、それも「メタルギア4」のノベライゼーションであるこの作品。
ゲームをやってなくても楽しめるように、序盤、今までのストーリーが要所要所で説明されてます。
それが辛かった!!

だって、

ゲームやってたら、何倍も面白く読めそう

だったんだもの(-_-;)。

私は「メタルギア」は、全くやってません。
登場人物も、どんなシステムのゲームかも知らないくらい、未知のゲーム。
「スマッシュブラザーズX」に出ているらしく、息子はスネークを知ってたけど
(息子、本を見つけて大騒ぎしてた・・・興味を持って読もうとしたらしいけど1pで挫折してた(爆))。
スマッシュブラザーズシリーズに出るってことは、かなりメジャーなゲームなんだとびっくりしたくらい。

ということで、「メタルギア」に関しては全く白紙の私。
そんな状態で読むのは、もったいないなーとか、いろいろ思っちゃって。

と、序盤、だらだらだらだらと読んでしまったけど、読み進めて世界観が見えてくると、
俄然面白くなりましたV(≧∇≦)V。

国の利益の為ではなく、企業が自分の利益の為に戦争を行う「戦争経済」の概念などは、
戦争なしでは経済が成り立たない「アメリカ」の現状を考えると、かなりリアルで怖いものが。
誰が望むでもなく、いろいろな要素が絡み合い、結果そういうシステムが
世界を支配するようになったメタルギアの世界は、グローバリゼーション化が進む今の世界とリンクもする。

伊藤計劃はメタルギアの大ファンだったらしく、メタルギアの世界観を知ると、
「虐殺器官」などは、メタルギアの世界観がかなり影響してるんだなーとすごく思った。

メタルギアの世界観や、緊迫感溢れる戦闘シーンも面白かったけど、
老いにより限界を迎えている肉体を酷使しても任務を遂行しようとする、
スネークの生き様に感銘を受けました。
自分が何を残せるのか、死にゆく自分が何をすべきなのか・・・
作中、死に直面した登場人物達は自問自答を繰り返す。
病に侵された状態で出筆していた作者の心の叫びとリンクするんじゃないかと、ついつい深読み。

メタルギアをプレイした事がある人なら、すっごく楽しめるはず。
そうじゃないけど、伊藤計劃ファンの人も、彼の描く世界観の由来がわかる作品としてお勧め♪

読み終わったあと、メタルギアの公式サイトでキャラクターの画像とか見ました。
ソリッド・スネークの相棒「オタコン」があまりにダサくてショック(^_^;)。
最初に見た「メタルギアソリッド」のオタコンの画像が酷かった。
他は、まぁまぁ許容範囲だったけど(^_^;)。
雷電は、想像よりカッコよかった~♪

キャラクターを知ってから読むか、知らずに読むかでも印象は変わりそう。
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コメント 3

コステロ

私は、それを目当てにPS3を買ったくらいの
メタルギア好きなので、この小説も読んでみたいですね。

ゲームだと逆に、ストーリーに集中できない、って部分もありますし。

by コステロ (2010-09-26 14:27) 

choko

コステロさん、メタルギアプレイしてましたか~!
今からゲームプレイするのも・・・ハードも無いし・・・って
感じで、諦め気分なので、羨まし~!

メタルギアそのものは見たことないけど、
スマブラXにでてるスネークは見ました。
ダンボールかぶってました(笑)。
オタコンとかメイリンとかも、スネークと通信モードになると、
顔だけ出て、話してくれます。
スネークに、マリオ、ソニック、カービィ・・・etc、
対戦キャラの情報のやりとりなのですが
(「世界一有名なキャラマリオと手合わせできるとはいい時代になった」とか)
セリフの中に「らりるれろ」が出てきて笑いました。
by choko (2010-09-26 14:38) 

コステロ

すでに4年近く前ですが(笑

読みました『小説版MGS4』。
これはまさに“小説版”という感じで、
“ノベライゼーション”という軽い印象は受けませんでしたね。
かなりしっかりしたつくりだったと思います。

ただ、やっぱりゲームをプレイしているのとは違った印象で、
小説版では「老人」であることがひしひしと伝わってくるんですが、
実際にプレイしている時は、操作ボタンひとつでチャキチャキ動くんで
「主人公の老い」はあまり感じないんですよ(笑
むしろムービーシーンなどで「老い」を演出されると
却って違和感を感じるくらいで。

ストーリーに関しては
「小説版を読めばいっそう理解が深まるんじゃないか」
と思っていましたが、意外とそれはなかったですね。
相当やりこんだゲームなので、それなりに解っていたみたいです。
「筆者の独自解釈」みたいなものも殆どありませんでしたし。

あと、ゲームでは「難所」とされる箇所を
小説版のスネークはスイスイ進んでいくので
「実際にはこんな簡単じゃぁないんだよ」と思いながら読み進める、
そんな楽しみ方もありました(笑
by コステロ (2014-08-07 15:55) 

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