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「マルドゥック・スクランブル1」冲方丁著:すごく映画・アニメ的だった [本:SF]

マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 冲方 丁
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2010/10/08
  • メディア: 文庫
7点

娼婦パロットは、賭博師シェルにより殺されかけ、爆炎に飲まれた。
瀕死の彼女を救ったのは、万能兵器のネズミ、ウフコック。
パロットは、シェルの犯罪を暴くのを目的とするウフコックに協力することに。
そんな生き証人のパロットを抹殺する為、かつてウフコックを使い殺戮の限りを尽くしたボイルが動き出す。
生きる意味を探し続ける少女パロット。
戦いの中で、彼女は何を見つけるのか?

エアカーの登場で、エアカーを使える上流階級と、ガソリンカーを使う中流階級、
そして貧困階級などの格差ができた社会。
科学技術の進歩による万能兵器ウフコック。
対する敵も、人体改造により個性的な容貌をし、それにあった武器を使用していたりする。
そういう設定は興味をひくし、少女パロットの生きる為の意味探しも、
ストーリーにうまく絡まっていて面白い。

ただ、どうも、各シーン、頭の中で「どこかで見たような」と思ってしまう自分がいる。
「こんな感じかな?」とあれこれ想像するのではなく、いままで映画、アニメ、漫画で見たシーンの
どれかが当てはまってしまうような・・・。

主人公が美少女で武器を持って戦い、相棒は万能兵器だけど見た目はネズミ、
個性的な殺し屋達がおり・・・うん、やっぱり設定自体が映画とか漫画とかアニメ的。
映画・アニメ・漫画の脚本、ノベライゼーションだと言われてしまったら納得できてしまう感じ。

ビジュアル的なイメージが作り易いのは、著者の描写が上手いせいもあるけど、
それが良い方にも、悪い方にも働いている感じがした。

最後の戦闘シーンは、すごく盛り上がるし、全体を通して面白く読めたのは確か。
でも、スペオペが西部劇の舞台を宇宙に移しただけ・・と言われたのと同じで、
小道具はSF的だけど、科学の進歩で人の意識が変わり、社会も変わる、
そんなSF的な世界の展開、それを読む自分の気分の高揚が無かったのが残念。

若い頃、読んでいれば、また評価も違ったろうなー、
読むのが遅すぎた(と言っても、若い頃にこの本は無かった)思えた一冊。

これ一冊完結物かと思っていたら、途中で話が終わってて焦った。
その内、続きも読んでみようと思う。
全部通しで読んだら、印象もまた変わるかな?
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コメント 2

ちょび

これは全3巻ですね~

たしかにSFっぽい舞台と道具を使っているけど、根本的にはSF小説じゃないと思います。

最終巻(3巻め)はほとんどが賭博小説で、乗れないと厳しいかも。私はビミョーでしたが、全部読み通して「まぁ面白かったな~」と言えた幹事。

ただいまこの続編の「悪役」を主人公にした作品読んでます。1巻途中で中断してすでに3ヶ月たってますが(^_^;)こっちもSF設定だけど、やっぱり違うかな。
by ちょび (2010-12-13 11:17) 

choko

ちょびさん

うわー、3巻賭博小説ですか・・・読む気がいっきに・・・(-_-;)。
2巻は図書館で借りてきて、これから読むところなのですが。

広義の意味ではSFだと思うのですが(ロボットアニメとか、
そういうのをSFとすれば)、小説には、もうちょっとタイトなSFを
求めてしまいます。

続編途中で挫折ですか。
この小説も、前半タルイ気がしました。
私も、前半中断中断しつつ、図書館で借りたので頑張って読んだ・・って感じです。
後半は盛り上がって面白かったのです。
続編もそんな感じなのかな??
by choko (2010-12-13 11:42) 

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