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「自立日記」「お悩みカテドラル」辛酸なめ子著:相変わらず独特な感性だ。 [本:エッセイ]

自立日記 (文春文庫PLUS)

自立日記 (文春文庫PLUS)

  • 作者: 辛酸 なめ子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 文庫
7点
お悩みカテドラル

お悩みカテドラル

  • 作者: 辛酸 なめ子
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2005/04/01
  • メディア: 単行本
6点

片付けられない女は卒業します」(リンク先感想)が独自の感性で面白かったので、
辛酸なめ子の他の本も読んでみました。

「お悩みカテドラル」は文庫版「お悩みカテドラル (ポプラ文庫)も出ています。

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「自立日記」は1999年~2001年の、WEB上に掲載された日記をまとめたもの。
最初の1999年の部分は、だらだらとした日記という感じであまり面白くなかったのだけど、
後半はそれなりに読ませる日記になっていて楽しめた。

部分部分に、辛酸なめ子独自のセンスが感じられるのもいい。
タカノフルーツパーラーのバイキングの女性は半分以上が「放牧感のある林真須美体型」とか。
林真須美体型に「放牧感」を付けちゃうあたりの言葉の選び方が上手い。

直球ではなく、ぐにゃぐにゃとした変化球のような辛辣な批評もいい味を出している。
著者が、悪口を言わないのはカルマの法則を意識しているかららしい。
悪口を言うと、マイナスエネルギーが本人に跳ね返ってくるという。
そこで著者は「悪口を言うより、相手から悪口を引き出すことの方が、
よっぽど楽しいです」と結んでしまう。
うわー、この方が怖いよ(^_^;)。

クリスマスイルミネーションが飾り付けられ、家の中から笑い声がもれる住宅街を歩きながら、
「家の数だけ不幸がある。これらの明るく光った家の2階にひきこもりの息子いたりするかもしれません」
と思ってしまう著者。

天皇一家に傾倒し写真集を安く手に入れ喜び、アメリカのプロムに出たいと願い誘われるための英文を
ネットにアップし(ほんとか?)、埼玉から荒川区に引っ越した時の「埼玉出身だから荒川区でも
平気なのね」という友人の言葉に憤る著者。
合間に挟まれるスピリチュアルネタや、秘宝館訪問話(著者は好きらしい)、
英会話教室の風景(著者の冷めた視線がすごい)。
そんなちょっと浮世離れした感じのネタばかりでなく、
マンションを購入しローンを組むために奔走する話もあったりする。
ネタはバリエーション豊富、でも著者のスタンスが同じなのが、違和感があるのと同時に面白い。

日記には、「レッサーパンダの帽子をかぶった元塗装工を殺人容疑で逮捕」など、
その日にあった事件などが一行記されている。
きっと著者が興味を持った事件・ニュースをピックアップしているんだと思うのだけど、
その興味が方向が自分と似ていたのが怖い(^^;)。

辛酸なめ子ワールドが地味に展開されていて、なかなか楽しめた一冊。
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「お悩みカテドラル」は、読者(?)の悩みに、著者がマンガで回答するという形式。
辛酸なめ子らしいセンスの回答が多いけど、漫画があまり面白くなく、いまいち。
文章だけの方が面白いような・・・。

文章だと突飛だけど面白いオチが、コミックにすると狙いすぎてるオチに思えてしまう。

でも、これを読んで衝撃の事実に気がついた。
最近、おしゃれなカフェに全くというほど興味が持てなくなってる私。
子供が生まれる前は割と行ったりしてた。
子供が生まれたあと、子連れで行ったら、周囲に気を使って、雰囲気を楽しんだり、
くつろぐどころではなく、足が遠のいた。
子供も成長し、今は行ける状態なんだけど、全然行く気になれない。

まぁ、人の嗜好や興味の先は変わる物だし、自分もそれが変わっただけかと思っていた。

でも、この本の「おしゃれすぎるカフェを居心地よくしたい」という相談に、
「オバさん達が話題にすると流行も終わり、頻繁にオバさん世代を連れて行きましょう」
というような回答が。
その漫画に、著者の母親らしき人物が「コーヒー700円!まあ高い!」と言ってるコマが。
ぎゃー、自分と同じだーーーΣ( ̄ロ ̄lll)!!
「ランチセットがあったらいいわね~」とかの台詞も・・・・著者の母親と自分の姿が重なります。

最近は何歳になっても女子という主張もあるようだけど、自分自身は30代になったら
オバさんだと思っていたし、実際30歳になってそれを受け入れてた。
でも、それは呼称だけの問題だったらしい。

しかし、これを読んで現在
「真のオバさんになった自分」
をはっきり認識してしまった(゚ロ゚;)。
既に、食事って雰囲気より、味や価格が大切だし。
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