「図説スイスの歴史」踊共二著:今もユニークな国「スイス」の成り立ちがわかる! [本:歴史]
7点
永世中立国スイス。
それも武装中立、核シェルターも国民全員が入れる分あるという。
世界の金融のハブでもある。
EU加盟国の地図を見ると、ヨーロッパのど真ん中にあるスイスだけ加盟していない。
独自の道を歩んでいるスイス。
スイスの歴史に興味を持ったのは、先日読んだ「図説オーストリアの歴史」がきっかけ。
中世ヨーロッパって、日本の戦国時代みたいに、とにかく近隣国同士が戦争戦争。
少し前は味方だったところと戦ったり、敵と手を組んだり、新旧宗教による対立も多く、
そこにオスマン・トルコまで入ってきてるし・・・・とにかく戦国時代が何年も何年も続いたって感じ。
そして、中世の大規模な、ヨーロッパの広域を巻き込む戦争で、ピカっと目立つのが、
周囲が戦争しているのに「中立」になってるスイス。
すでに中世から中立国の立場だったとはw(゚o゚)w!と驚いたのがきっかけ。
オーストリアなどは今は中立国だけど、中世ではドイツの一諸侯だったし、
侵略したり、されたりも繰り返してた。
で、スイスは、現在でもかなりユニークな国なので、「スイス人のまっかなホント」(リンク先感想)
などを読み、現在のスイスを知ってから歴史を紐解いた方が、何倍も楽しめます。
スイスは、26のカントンという州に別れており、独自の議会、政府、法律を持ち、その自治権は強い。
アメリカの州制度と似ているけど、人口780万なので、一つのカントンはかなり小規模。
日本で言えば、県や、大きな市が政府、議会、法律を持つという規模。
そして、カントンでも、それをまとめる連邦でも、すぐ国民投票をする国でもある。
何か問題があれば国民投票、そして可決された法律で問題が出れば、また国民投票。
カントンによっては、地域民の投票の結果から、連邦政府が決めた事を守らないことすらある。
アメリカより自治権が強いらしい。
その上、スイスは、公用語がドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つ。
言葉が違うというのは、その地域同士の対立も生みやすい。
しかし、まとまっているスイス。
そういう現在のスイスに見られる事の起源は、中世ヨーロッパの時代から培われた事が
この本を読むと、すごくよくわかる。
スイスの母体になったのは、13世紀頃、自治権を認められた3つの共同体。
それが他の共同体や都市などと同盟を結び拡大していった。
当時、領主の支配下にあるのが普通だったのを考えると、かなり異例。
スイスは、成り立ちからユニークな国だったのだ。
チューリヒ、ツルェルン、ベルンなど、今ある都市の名前もすでに、この時代に出てくる。
そして、宗教改革などによる、共同体同士の闘いなど、分裂の危機を乗り越え、
今のスイスがある。
最初は、領土拡大の為、共同体で同盟を組み、他の国と組んだり、傭兵を派遣して、
他地域への勢力拡大も行なっていたが、16世紀フランスに大敗してから、
政治的に他の国の戦争に加担しないという、今も見られる中立の姿勢をとるようになったという。
ただ、面白い事に、傭兵だけは(農作物などがあまりとれなかったスイスでは、重要な資金源だった)、
派遣している。
それも、敵味方に分かれ戦っている国両方に、傭兵や資材の援助を行なっているというのがすごい。
金さえ払ってもらえばOK!というのも凄いけど、うまく立ち回っているスイスの外交も凄いと思った。
スイスの傭兵というと、バチカン市国の衛兵は全部スイス人だと聞いたことがあるけど、
スイスの傭兵の歴史が長かったのを知ると、すごく納得できる。
中世から、第二次世界大戦後まで、一つ一つのカントンの自治権が強く、
言葉も宗教も違う人々、共同体が集まってできた国スイスがしっかりまとまり、
また人の意識が「スイス人」となっていく過程というのは、とても面白かった。
ただ、薄い本なのに、中世からのスイスの歴史を詳しく追おうとしている為、
固有名詞、地名の羅列羅列羅列で、ものすごい情報量。
細かい部分は、ちゃんと消化できずに終わってしまった。
それでも、スイスという、ユニークな国の成り立ちは、国の成立・あり方の一つの形として、
とても興味深く読むことができた。
永世中立国スイス。
それも武装中立、核シェルターも国民全員が入れる分あるという。
世界の金融のハブでもある。
EU加盟国の地図を見ると、ヨーロッパのど真ん中にあるスイスだけ加盟していない。
独自の道を歩んでいるスイス。
スイスの歴史に興味を持ったのは、先日読んだ「図説オーストリアの歴史」がきっかけ。
中世ヨーロッパって、日本の戦国時代みたいに、とにかく近隣国同士が戦争戦争。
少し前は味方だったところと戦ったり、敵と手を組んだり、新旧宗教による対立も多く、
そこにオスマン・トルコまで入ってきてるし・・・・とにかく戦国時代が何年も何年も続いたって感じ。
そして、中世の大規模な、ヨーロッパの広域を巻き込む戦争で、ピカっと目立つのが、
周囲が戦争しているのに「中立」になってるスイス。
すでに中世から中立国の立場だったとはw(゚o゚)w!と驚いたのがきっかけ。
オーストリアなどは今は中立国だけど、中世ではドイツの一諸侯だったし、
侵略したり、されたりも繰り返してた。
で、スイスは、現在でもかなりユニークな国なので、「スイス人のまっかなホント」(リンク先感想)
などを読み、現在のスイスを知ってから歴史を紐解いた方が、何倍も楽しめます。
スイスは、26のカントンという州に別れており、独自の議会、政府、法律を持ち、その自治権は強い。
アメリカの州制度と似ているけど、人口780万なので、一つのカントンはかなり小規模。
日本で言えば、県や、大きな市が政府、議会、法律を持つという規模。
そして、カントンでも、それをまとめる連邦でも、すぐ国民投票をする国でもある。
何か問題があれば国民投票、そして可決された法律で問題が出れば、また国民投票。
カントンによっては、地域民の投票の結果から、連邦政府が決めた事を守らないことすらある。
アメリカより自治権が強いらしい。
その上、スイスは、公用語がドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つ。
言葉が違うというのは、その地域同士の対立も生みやすい。
しかし、まとまっているスイス。
そういう現在のスイスに見られる事の起源は、中世ヨーロッパの時代から培われた事が
この本を読むと、すごくよくわかる。
スイスの母体になったのは、13世紀頃、自治権を認められた3つの共同体。
それが他の共同体や都市などと同盟を結び拡大していった。
当時、領主の支配下にあるのが普通だったのを考えると、かなり異例。
スイスは、成り立ちからユニークな国だったのだ。
チューリヒ、ツルェルン、ベルンなど、今ある都市の名前もすでに、この時代に出てくる。
そして、宗教改革などによる、共同体同士の闘いなど、分裂の危機を乗り越え、
今のスイスがある。
最初は、領土拡大の為、共同体で同盟を組み、他の国と組んだり、傭兵を派遣して、
他地域への勢力拡大も行なっていたが、16世紀フランスに大敗してから、
政治的に他の国の戦争に加担しないという、今も見られる中立の姿勢をとるようになったという。
ただ、面白い事に、傭兵だけは(農作物などがあまりとれなかったスイスでは、重要な資金源だった)、
派遣している。
それも、敵味方に分かれ戦っている国両方に、傭兵や資材の援助を行なっているというのがすごい。
金さえ払ってもらえばOK!というのも凄いけど、うまく立ち回っているスイスの外交も凄いと思った。
スイスの傭兵というと、バチカン市国の衛兵は全部スイス人だと聞いたことがあるけど、
スイスの傭兵の歴史が長かったのを知ると、すごく納得できる。
中世から、第二次世界大戦後まで、一つ一つのカントンの自治権が強く、
言葉も宗教も違う人々、共同体が集まってできた国スイスがしっかりまとまり、
また人の意識が「スイス人」となっていく過程というのは、とても面白かった。
ただ、薄い本なのに、中世からのスイスの歴史を詳しく追おうとしている為、
固有名詞、地名の羅列羅列羅列で、ものすごい情報量。
細かい部分は、ちゃんと消化できずに終わってしまった。
それでも、スイスという、ユニークな国の成り立ちは、国の成立・あり方の一つの形として、
とても興味深く読むことができた。
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