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「我が家の問題」奥田英朗著:どの家庭でもありそうな悩み。物事、考え方次第なんですよね♪ [本:文芸]

我が家の問題

我が家の問題

  • 作者: 奥田 英朗
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/07/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
7.5点

久々に「普通の小説」カテゴリに入る本を読んだ(^^;)。

平穏そうに見える家庭でも、1つや2つ悩みはあるもの。
そんな悩みと向き合う人々を、温かい視点で書いた短篇集。

「甘い生活?」-料理、掃除、甲斐甲斐しく尽くしてくれる妻。
甘い新婚生活なはずなのに、夫は帰宅恐怖症に。
「ハズバンド」-夫は優しくて、幸せな専業主婦だっためぐみ。しかし、夫は仕事ができず、
会社のお荷物なことに気がついてしまう・・・・。
「絵里のエイプリル」-両親が不仲で離婚を考えている事に気がついてしまった高校生の絵里は・・・。
「夫とUFO」-突然、夫がUFOが見える、宇宙人と交信できる・・と言い出した!
「里帰り」-結婚して初めてのお盆休み。お互いの実家に里帰りすることになった新婚の二人。
「妻とマラソン」-マラソンにはまる妻。その理由とは・・・・。

家庭の悩みものというと、失業とか、経時的にひっ迫しているとか、愛情が憎しみに変わったりとか、
重いものが多い気がするけど、これは、本当に、中の上くらいの、
身の丈にあった平凡な幸せで満足している普通の家庭が抱えそうな、
ちょっとした、でも当事者にとっては大問題の悩みを、丁寧に書いた作品ばかり。

細やかな心理描写のおかげで、登場人物に感情移入しやすく、また、どんな状況になっても、
夫を、妻を、親を、家族を思いやる気持ちが根底に流れていて、読んでいて温かい気持ちになる。

また、登場人物が、悩みの中でも小さな幸せを見つけだし、前向きに進んでいくのも気持ちが良い。

同じ状況でも、悪い点ばかりを見てグチグチ言う人と、良い点を探して進んでいく人がいる。
前者は、すべてが思い通りに行かない限りずっと不幸、後者は悩んでいても、その内幸せになる。
考え方・捉え方次第で、物事は変わるものなんだなーと改めて思わせてくれた本。
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コメント 2

コステロ

冒頭の「久々に~」の一文で、思わず笑っちゃいました(笑

たまにはこういう、ホッと一息つけるような作品も良いですよね。
ましてちょこさんは、普段は“ハードコア”ばかりみたいですから(笑


by コステロ (2012-03-19 09:49) 

choko

コステロさん

この手の小説は「文芸」カテゴリに入るのかな?
世の中の人は、どんなジャンルの小説を読んでいるんだろうと思う時、
普通の小説ってあまり興味が無いので、
どんなものが出ているのか、どれだけ出てるかわからず、
知っている小説メインで考えると「世の中の人も、
みなミステリーかホラーを読んでいるに違いない!」
と錯覚しそうになります(^^;)。

でも、普段はハードコアなんてそんな事ないですよっ!!
ソフトです、ソフト!!(断言!)
最近読んだのでハードだなーと思ったのは、
「日本残酷写真史」くらいでしょうか。
これは、死体の写真いっぱいでかなりハードでした(^^;)。

by choko (2012-03-19 13:29) 

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