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「地獄百景」田中久美子著:仏教の地獄を中心に、世界の地獄がわかる! [本:歴史]

地獄百景 (ベスト新書)

地獄百景 (ベスト新書)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2012/11/09
  • メディア: 新書

7.3点

仏教の地獄。
灼熱地獄の「八熱地獄」は、「等活地獄」「黒縄地獄」「衆合地獄」「叫喚地獄」「大叫喚地獄」
「焦熱地獄」「大焦熱地獄」「阿鼻地獄」の8つ。
後になるほど重い罪の者が落ちる。

一番軽い「等活地獄」は釜茹でや生きたまま焼かれる地獄で、「殺生の罪」。
殺生が一番軽いの??と思ったら、ここは虫を殺しても落ちるそう。
これ、誰でも落ちちゃうんじゃないの??(^^;)

「黒縄地獄」は盗み。
仏教では、殺生の罪より、盗みの罪の方が重いらしい。

「衆合地獄」は邪淫の罪。
でも、強姦とか近親相姦だけじゃなく、正常位以外で性交した人も落ちるとか(^^;)。

「叫喚地獄」は、飲酒。
飲酒の罪、仏教だと重いw(゚o゚)w!!

「大叫喚地獄」は、嘘をついたものが落ちる地獄で、舌を抜かれたりする。

そして、「焦熱地獄」「大焦熱地獄」「阿鼻地獄」の特に重い罪で落ちる地獄は、
釈迦の教えに反する事を広めたもの(邪見)、「尼僧など敬虔な女性を犯した者」など、
日常の罪より宗教色が強くなる。
一番重い「阿鼻地獄」は、親や聖人を殺したり、教団を破壊したものが落ちるという。

その他「八寒地獄」や「阿修羅道」「畜生道」「餓鬼道」「極楽」など、仏教に関することで、
本の半分くらい占められている。
と言っても、図説あり、説明も簡単でわかりやすい。
どんな地獄なのか、どんな責め苦があるのか、各地獄に付属している個性的な小地獄に
落ちる理由や責め苦なども合わせて、説明してあるので盛りだくさん!!

漠然とは知っていた仏教の地獄を系統建てて整理できて、なかなか面白かった。
難点は、載っている地獄絵図が、古い絵で、元々の状態が悪いのか、かなり見辛かった事。

中盤は、「ユダヤ教」と「キリスト教」。
最初は地獄がなかったという「ユダヤ教」の地獄が作られる過程
(「バビロン捕囚」以後、敬虔でも災いがふりかかる現世で希望を見出せない人々が、
死後の世界に救いを求めた為となっている)。
ゾロアスター教から影響を受けたという「死後に審判があり、地獄と天国に振り分けられる」
という思想は、その後、キリスト教や、イスラム教へも受け継がれていく。

キリスト教では、「ペテロの黙示録」という外伝で、地獄が詳しく描かれ、それが普及。
キリスト教は、一般的な地獄のイメージ「ゲヘナ」と、洗礼を受けていない偉人や
赤子がいく「辺獄(リンボ)」(責め苦などは無いが神もいない)、地獄に堕ちるほどではない罪の人が、
炎で焼かれ魂を浄化する場所「煉獄」(浄化後天国に行ける)がある。
「煉獄」と「免罪符」が関係しているのは、この本で初めて知った。
お金を出せば、煉獄で魂を浄化される苦しみを味あわなくて済むということらしい。

また簡単にだけれど「バビロニア」「エジプト」「北欧」「イスラム教」「インド」「中国」
「ゾロアスター教」(天国と地獄の概念を広めたのはゾロアスター教だと言われているという)
などの「地獄」にも触れられていて、「国や時代が変われば地獄も変わる」って感じで面白かった。

で、この本を読んでいて、モーニングで連載中の地獄マンガ「鬼灯の冷徹」(リンク先感想)を
読んで、思ったより地獄に詳しくなっている自分を発見!
仏教の地獄の数々とか、落ちる理由とか、責め苦の種類とか、牛頭馬頭とか、
知ってることいろいろ。
特に現在、「エジプトの地獄編」がモーニングに掲載されていて、この本で得た知識を
ビジュアル的に再認識してる気分になった。

「鬼灯の冷徹」と、この本を合わせて読むと、より知識が深まる気が(^^)。
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コメント 2

コステロ

ダンテの『神曲』なんかもそうですが、
「何々をしたモノが堕ちる地獄」などと、
様々な罪とそれに応じた様々な地獄などが描かれるのを読むと、
大概何かしらの罪に引っ掛かってたりして、
「あ、俺もうダメじゃん」とか思いますね(笑
by コステロ (2013-02-11 08:17) 

choko

コステロさん

普通に生活してたら「地獄に落ちない人」っていないんじゃないかと。
私も、何かしらひっかかりますよ(笑)。
だからお布施したり、善行積んだり、それができない人は、
免罪符!もしくは、「南無阿弥陀仏」と唱えると(笑)。
by choko (2013-02-11 20:11) 

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