「カラスの教科書」松原始め著:身近なのに、あまり知らない「カラス」に親近感を少し持てる本♪ [本ノンフィクションいろいろ]
7.5点
動物行動学、それも「カラス」を研究している著者による、カラスに関する知識がいっぱい詰まった本。
そして、著者のカラスへの愛もいっぱい詰まってます♪
この本のように、研究対象への愛が感じられる本って好き♪
今までも、「寄生虫」「ダニ」そして「うんち」に対してまで、研究対象への愛が溢れた本を
いろいろ読んだけど、この本の対象は「カラス」。
著者は、「カラスなんてものを研究して・・・」って感じで書いてるけど、
まだ「マシ」なんじゃないかと思ってしまった(笑)。
日本では、遭遇率が非常に高いカラス。
でも、都市部にカラスが繁殖している国ってそれほど多くないらしい。
よく見かけるのは「ハシブトガラス」と「ハシボソカラス」。
2種類いるのは知ってたけど、この本では外観の違いだけじゃなく、
かなり違う2種類のカラスの習性についても語られていて、興味深い。
都市部に多いのは「ハシブトガラス」で、ゴミ袋を漁るのも「ハシブトガラス」。
このゴミ袋をあさる行為、ハシブトカラスにとってはすっごく自然な習性の延長にあるというのも、
面白かった。
カラスはペアになって縄張りを作る。
だから、群れているカラスというのは、ペアがまだ作れない若造だったりあぶれ者だったりするらしい。
群れがいる場所というのは、人通りが多かったり落ち着かなくて、巣作りに向かない場所、
どのカラスの縄張りにもなっていない場所なんだそうだ。
「ハシボソガラス」が抱卵すると、雄が餌を運ぶらしいけど、美味しい餌は、運ばず、
全部雄が食べちゃったり、逆に、それを雌が見つけてねだり倒して雄から貰ったり、
餌を隠す習性があるカラスが、お宝「アイスキャンディー」を埋めてしまった事が書いてあったり、
個性あふれる行動が、たくさん紹介されていて、ほのぼの♪
フィールドワークの大変さなどもわかるので、これから大学でそういう分野に進みたいなんて
人にも楽しめる内容。
実用的(?)なのでは、カラスが人を襲う理由(滅多に無いらしい)、カラスに襲われない為の、
ハウツーも載ってます。
賢くて、行動に愛嬌や個性があってどこか人間ぽいところもあるカラス。
読んでいると、すごくカラスが可愛く思えます♪
先日見た、「子供のカラスが、ヤマアラシの刺を抜いてもらいに人間のところに来た」という
動画の子ガラスなんて、むちゃくちゃ可愛かったし♪
ただ、カラスって近くで見ると怖いんですよね・・・・。
私の父が母と結婚する前、巣から落ちた雛を育てたカラスを飼っていたらしく(基本放し飼い
だったらしいけど、かなり慣れてたよう)、いくつか面白いエピソードをきいたので、
親近感はあるんだけど、いざ、近くで見ると、あの太いクチバシはやっぱり怖い(^^;)。
飾りっけの無い語り口で、面白おかしくカラスの事を語ってくれる本♪
近くにいるけど、遠かったカラスが、とても身近に思えると思います(^^)。
次にカラスを見かけたら、面白い行動をしてるんじゃないかと、少し観察しようかと
思ったり←利口だから、観察するのが難しいようですが。
ぶ厚いけど、字も大きく、読みやすいので、本の厚さに引かず、気軽に読んでみて(^-^)ノ。
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