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「疫神(やまいがみ)」川崎草志著:世界に迫るパンデミック。それに気がついたのはたった一人の子供だけだった・・ [本:ホラー&ミステリー]

疫神 (単行本)

疫神 (単行本)

  • 作者: 川崎 草志
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2013/07/31
  • メディア: 単行本

7.5点

猟奇殺人、都市伝説、過去の惨劇などが絡みあったミステリーであり、前半ゲーム業界ネタ満載
なのが異色な「長い腕」、その続編である「呪い歌 長い腕2」(各リンク先感想)を
出している川崎草志の3作目長編。

アフリカで発見された、人の体内で増殖するオレンジカビによる致死率100%の感染症。
オレンジカビの調査をしたアメリカの研究所員エミリーは、自分たちより先にオレンジカビを
発見したと思われる男を追って、日本に訪れる。
しかし、男は失踪していた。
グローバル化による交通網の発達により、治療方法も見つかっていない、
オレンジカビによるパンデミックの脅威が世界に迫る。

人里離れた場所に住む翻訳家の二海士郎。
彼は、妻と幼い子供と幸せな日々を送っていた。
しかし、彼は「あの人」との遭遇を恐れていた。
そして、「あの人」が現れた時・・・・。

長野の山村に住む幼稚園児である桂也は、巫女であった祖母の血を受け継いだのか、
不思議なものを見ることが多かった。
そして、彼は、村の異変に気がつく・・・。

3つの独立した話が交互に語られ、伝染病と文明の関係、21世紀に入っての新型感染症の
増加などの話を交えながら進むバイオミステリー仕立てのエミリーの話、
「あの人」に怯える夫婦の姿を描く、現代怪談風の士郎の話、
村を守る道祖神の話など、伝奇ホラー的な桂也の話、それぞれが面白く読め、
最後にまとまるという展開は「おおっ!」と思わせてくれたし、とても良かった♪

ただ、「長い腕」が、オカルト要素を持ちつつもミステリーであったのに比べ、
今回は、しっかりオカルトホラーって感じ。
私は、バイオホラーも、怪談も、伝奇ホラーも、どれも好きなので、
3作別々に語られる話、どれも好みだったけど、オカルト要素の無い「ミステリー」を期待すると、
ちょっと肩透かしかも。
また、最後、「えっ、これは解明されないの??」って部分があったのも気になった。

それでも、好きなネタ満載で、最後までグイグイ読ませる話だったし、面白く読めた♪
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