「まちあわせ 田中雄一作品集」田中雄一著:レトロな絵柄で、異形の物が跋扈する近未来を描く! [本:コミック]
田中雄一作品集 まちあわせ (KCデラックス アフタヌーン)
- 作者: 田中 雄一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/06/23
- メディア: コミック
7.3点
世界中で発生した十二脚中に侵食されていく未来を描いた「害虫駆除局」、
いろいろな進化を遂げた霊長類、その単なる一種族となってしまった人類を描いた「プリマーテス」、
巨大な木のウロで見つかった子供達を描いた「まちあわせ」、
巨獣が跋扈する世界で、巨獣の巣に住み、巨獣に守られて生きる人々を描いた
「箱庭の巨獣」の4編が収録された、短編コミック集。
昭和風の線の太い、ある意味古臭い絵柄で、最初買ったのは失敗かなぁと思ったけど、
読むと、この絵柄だからこその独特の世界観があり、楽しんで読めました。
基本的には、ディストピアものメイン。
「十二脚虫」という新種の虫が大発生し、人々の生活を脅かす「害虫駆除局」は、
幼虫を人に寄生させ育てる虫が、団地などを襲い、日本の都市のあちこちで大規模災害を
引き起こす世界が描かれています。
主人公は、「害虫駆除局」に勤めながらも、そんな十二脚虫を愛し、保護しようと騒いでいる男。
しかし、自分も囚われの身になり、その上・・・・。
蟲が気持ち悪くていいです♪
「箱庭の巨獣」は、麒麟という巨獣の巣に住む人々の話。
選ばれたものが麒麟の幼獣と合体し、次の守り手になる。
巨獣にはいろいろな種類がいて、それぞれ特徴があるのが面白い。
また、その姿があまりに異形過ぎるのも、いい味出してます。
諸星大二郎系だけど、もっと絵柄は無骨。
でも、そこが独特の雰囲気を醸し出してる気が。
ディストピアものとして面白いけど、絵柄などで、好き嫌いが分かれそう。
私は、かなり面白く読めて、当たりでした(*^.^*)♪
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