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「コスミック・レイプ」 シオドア・スタージョン [本:SF]

「コスミック・レイプ」 著:シオドア・スタージョン(サンリオSF文庫) 6.5点

昨年末「スタージョンは健在なり」が「時間のかかる彫刻」と改題されて(もうスタージョンは健在じゃないものね(T_T)グスン)創元SF文庫から出された。

で、かなり昔から持っていたけど(サンリオSF文庫が廃刊になる前に購入したのだ・・もう何年だ(^^;))表紙が苦手で、読まずにいたこの本を読んでみようかと引っ張り出してみました。

サンリオSF文庫の表紙は好きな物が多いんだけど、どうもこの茶色いマリリンモンロー(?)の迫力に押されてか、この表紙は苦手。何か怖い・・・。

で、読んだ感想は「もっと早く読めば良かった」でした。
それは「物凄く面白かったから!」とかではなくて、この本で語られている事が、今の自分には甘すぎて、思わず引いてしまうから。
もっと若い頃に読んだら、この本にあるセンチメンタリズムに共感し、感動できただろうなぁという後悔。
本には読むべき時期があると思うけど、その時期を逃してしまった・・という感じです。

内容は、

アル中のルンペンがゴミ箱から拾って食べたドロドロのハンバーガーの中には、宇宙から来た集合生命体「メドゥーサ」が入っていた。
生命体の意識の中にもぐりこみ、その種族の1つに入り込めれば、その種に属するものを1つの集合体として支配できる力を持つメドゥーサであったが、その力が及ばない人類と遭遇し、「人間の頭脳をのように1つにする為」の方法を探し始める。
この侵略者に対し、人類がとった対応とは?

かなり不思議なファーストコンタクト物。
メドゥーサ地球侵略計画の物語の合間に、いろいろな場所に住み、いろいろな人生を歩む人々の物語が語られる。
短いページしかない中で、それら人々の生きている背景、感情などがとても伝わってくるのは、スタージョンの文才の所以だろう。

そしてこの本は、1/3がディレーニによる、スタージョン評である。
何か凄いぞ(^^;)。


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コメント 2

ちょび

スタージョンはSFマガジンで掲載された短編しか読んでないんですよねー。「〜健在なり」の改題版はちょっと食指がうごいてます。
しかし、この表紙はすごいですね。サンリオSF文庫のカバー絵をスキャナーで読み込んだデータがうちにあるけど(全部あるのか?)これはインパクトの強さでは一番かと思う。たしか竹宮恵子も出始めた頃にかいてたよね。
by ちょび (2005-01-19 23:17) 

choko

「時間のかかる彫刻」は表紙の感じがいいですよね。
「~健在なり」の表紙もちょっと怖い感じでしたし(^^;)。
私が好きなスタージョン作品は「夢見る宝石」なのですが、今読んでも好き!と言えるかは不明。「コスミック・レイプ」と同じように、早めに読んだ方が正解の作品だった記憶が(曖昧です(^^;))。

それにしても、カバー絵をたくさん読み込んであるとは凄い!
竹宮恵子は、ル=グィンあたりでしたよね。
私はアンナ・カヴァンや、ライバーの「バケツ一杯の空気」の表紙が好きでした♪
by choko (2005-01-20 08:15) 

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