「メルキオールの惨劇」 平山夢明

メルキオールの惨劇

• 作者: 平山 夢明
• 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
• 発売日: 2000/11
• メディア: 文庫

8点

ずっとサボりまくってます(^^;)。ちょっと頑張って溜めてしまった読んだ本の覚書を書かないと・・。

人の不幸をコレクションする男の依頼を受け、ある家庭に入り込む「俺」。あまりにも異様なその家庭の状況。依頼された品物を手に入れる為、画策する主人公だが、徐々にその家庭の恐ろしい秘密に飲み込まれていく・・・。

どこかで「ホラー漫画を文章にしたような小説」という評を読んだのだが、確かにその通り！という感じがする。

羅列される異様なイメージ。犬を頭上で振り回しながら散歩させる白痴の巨漢、依頼主の集める不幸コレクションの数々－念願の大学に合格して間もなく自転車ごとトラックに轢かれた青年の乗っていた、青年の体の一部がついている自転車etc－、頭蓋骨だけ見つからない死体・・。

読み始めてすぐ目にした「脳味噌をトロトロのアイスクリームにさせる陽射しの中」という表現があまりに狙い過ぎていて気になり「これはダメかも(>_<)」と思ったが、読み進むうちに気にならなくなった。

とにかく、異様な世界の中にどっぷり浸りたい人にお勧め。少し切なさが残るストーリーも良かった。