「楽園の知恵-あるいはヒステリーの歴史」「アロマパラノイド-偏執の芳香」 牧野修 [本:ホラー&ミステリー]
牧野修の短編と長編。
「楽園の知恵」は短編集。いくつかの章にわかれ、章ごとにかなり雰囲気が違う。
死体がいつまでも消えず、会話すらできる町の話や、狂人の妄想なのか、それとも現実なのか曖昧な世界など、ホラー系の話があるかと思えば、演歌と神秘主義との関係を鋭く(笑)追求したハチャメチャSF・・・etc、幻想、グロテスク、ナンセンスティスト爆発のエロ、バカSFなど、いろいろな話が楽しめる一冊。
この作者の作品は、ホラーの方が好きなのけど、今回はSFの方が面白かった。
特に科学の発展の途中で事故によりできてしまった、バイオ建材で覆われた島の内部での、バイオ家具達の話は、好み。全く人とは違う感性を持ったバイオ家具達の世界というのは、読んでいてワクワクした。
「アロマパラノイド」は、カルト宗教、UFOコンタクター、電波系の妄想、そして芳香が人に与える影響を素材にした、ホラーサスペンス(かなぁ?)。
血の芳香に見せられた連続猟奇殺人犯が書いた本に秘められた秘密と主人公の周辺で起きる不可解な出来事の関係は?という感じで、話は進むのだが、結局素材が生かされないままラストを迎えてしまった・・・という感じで消化不良。
「偏執」という言葉から連想するようなジメジメした狂気も感じられず、残念。
2006-09-16 01:50
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