「記憶の食卓」牧野修 食に対する嫌悪感全開 [本:ホラー&ミステリー]
名簿屋をしている主人公は、病的なまでにチャーハンが嫌いだった。ある日自分の詳細なデータが記載されている名簿を見つける。そこに載っているのは14人。しかし、自分以外の13人に全く覚えは無い。その上、名簿に載っている何人かは、連続殺人事件の被害者である事がわかる。危険を感じた主人公は、名簿に載っている人を次々に訪ねてみるのだが・・・。
拒食症、過食症、食にまつわる思い出せない嫌な記憶・・・何かしら食に関係するエピソードを交えながら話は進んでいく。
食べる事に関する嫌悪感が伝わってくる話。実際「食べる行為」というのは自分がする分にはいいけど、他人の行為なら気持ち悪い部分も多々あるものである。一度咀嚼された物は、自分が噛んだ物だとしても、汚いと思うし、嘔吐物も、排泄物も元は食べ物だ。
どこかの文化では、食事を人に見せる事は、排泄を見せる事より恥かしいとされると聞いた事がある(記憶が曖昧なので、本当かどうかわかんないけど)。
そんな食に関する嫌悪感をズルズル纏わりつかせながら、自殺、連続殺人事件、UFOと、話はどんどん進んでいく。
そして、本筋と平行するように進んでいく、もう1つの物語。この2つの物語の関係は?いろいろな要素が絡まりあい、状況が二転三転しながら話は進んでいく。なかなか読み応えがあるサスペンスミステリー。
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