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「香水-ある人殺しの物語」パトリック・ジュースキント [本:ホラー&ミステリー]

香水―ある人殺しの物語

香水―ある人殺しの物語

  • 作者: パトリック ジュースキント, パトリック・ジュースキント
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1988/12
  • メディア: 単行本
8点
 
原作を読んでから映画を見るか、映画を見てから原作を読むか悩んだけど、後者に。
私的にはその順番で正解だった気がする。
映画では「天才的な臭覚を持つ男」として、その才能から引き起こされる主人公の「行動」を中心に描かれていたが、原作の方はそういう行動を起こした理由もかなり描かれている。
映画の中では、トラが人を襲うのに思想的な理由がいらないように、主人公が香水の為に人を殺すのに対して深い理由は語られていない。しかし、主人公を不思議な存在として捉える事により、「香り」と「映像」に集約された演出がより生かされている気がした。
原作では、男の内面が描かれる分、掘り下げてあり、これはこれで面白く読めたが、もし小説が先であったら、映画を見て、主人公の掘り下げが足りない!と不満に思った気がするのだ。
原作の方も、不思議な魅力に溢れた作品で、ダークな御伽噺という側面を充分持っていて楽しめた。
 

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