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「遺品整理屋は見た!」リストカットって苦しむらしい・・・ [本ノンフィクションいろいろ]

遺品整理屋は見た!

遺品整理屋は見た!

  • 作者: 吉田 太一
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2006/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

8点

この本は、自殺、部屋で病死、殺害、孤独死など、普通ではない亡くなり方をした人の、死体の片付け、ウジがわいたり、血が飛び散ったりした部屋の清掃、そして遺品の整理などを仕事としている作者が書いたコラムをまとめたモノである。
 
自分が死んだ後の事を、具体的に考えたりする事って、あまり無いと思う。
でもこの本を読むと、自分がどんな死に方をするのか、自分が死ぬ時の状況・・・などいろいろ考えてしまう。
もし、老後夫に先立たれ、子供とも別に暮らしている時、1人家で死んだら、誰が発見してくれる?発見までどれぐらいかかる?何日も発見されなかったら?それが夏だったら?・・などなど・・・。
 
何らかの原因で発見されず放置された遺体がすごい状態になるだろうなぁとは漠然と思っていたけど、想像力には限界があるんだと改めて実感した。
 
液体になってしまった死体、お風呂で亡くなりワンタンのようになってしまった死体、血しぶきが壁一面に飛び散っている部屋、物凄い悪臭、ゴミ袋一杯にもなる量のウジ、部屋の壁を覆い尽くすゴキブリ・・・とにかく、遺品整理屋さんが片付けを依頼される部屋には、私の想像を遥かに越えた惨状が広がっていた。
 
びっくりしたのは、明らかに自殺とわかっている場合、警察が現場の後片付けを手伝ってくれないばかりか、そういう仕事をしてくれる所の紹介などもしてくれず、遺族任せな事。
飛び降りで血や肉片が飛び散った地面を遺族が片付けなければならないし、車で自殺し腐乱して発見された家族が乗っていた腐臭漂う車を遺族が移動させなければいけない。
孤独死で、異臭が近所迷惑になっている場合、遺族は、家族の死のショックと同時に、近所からの苦情の嵐に曝されたりする。
そういう状況を救うのも、遺品整理屋の仕事だという。
 
普通なら逃げ出したくなるような状況でも、遺族の人達を少しでも楽にしようと、頑張る著者の姿は立派である。
著者は、今増えつつあり、これからも増えるであろう老人の孤独死について、とても心を痛めていた。そして、孤独死に関しては、まだまだ先の事とは言え、私も他人事ではない。
 
また自殺をしようと思う人が、この本を読んだら、思いとどまるのでは?とも思った。
リストカットって、苦しまないで死ねる方法というイメージがあるけど、苦しんで悶絶し、部屋中が血まみれになってる現場も多いらしい。
 
現代社会で死はあまり接する事の無いモノになってしまったけれど、この本を読んで死についてもう一度考えて見る必要があるのを感じた。
著者の人柄には心温まるものを感じたが、内容はかなり衝撃的。

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