「ヒトは食べられて進化した」 [本:歴史]
ヒトの進化には、被捕食者であった事が大きく関わっていて、それはどんな影響を与えたのか?
みたいな事が書いてあるかと思って読んだんだけど、ちょっと期待外れ。
この本のメインテーマは、太古の人類が勇猛な捕食者であったというイメージを払拭し、ひ弱な被捕食者であったという事を多くの人に認識させる事。
その為に、繰り返し繰り返し、人類が被捕食者=狩られる存在であったということを発掘された化石や、現在でも人や霊長類が猛獣に襲われる例を挙げて説明している。
鳥に食べられ、猛獣に食べられ、蛇に食べられ・・そんな説明だけで、本の2/3くらいが費やされている。
まぁそれはそれで面白いのだけど、逆に「何故人が被捕食者であったことを、ここまで頑張って証明しなければならないのか?」という疑問も残る。
この本では、人類の進化の歴史を研究する分野では、人類=捕食者だったというのが定説で、被捕食者であったことを認めようとしない人が多いようなことが書いてあるけど、ほんとなのか??と思ってしまった。
本書でも述べられている通り、今だって人が猛獣に襲われ命を落とす例は多い。昔ならもっとあっただろう。
それなのに、被捕食者であった事を認めない人達が、人類の進化を研究しているというのだろうか??
とにかく、個人的には当たり前だと思っていることを、さも新事実であるように、繰り返し述べられるので、それに辟易してしまった(^^;)。
そして、人が被捕食者であったことと、人類進化の関係は、それほど詳しく語られていなかった為、自分の期待していた本ではなかった。
だから点数低め。
人類が被捕食者=狩られる存在であった、だなんて、
チョッと考えれば「当たり前のこと」ですよね。
そこから進化して、知恵を付けて行ったワケで、
「太古の人類に対しどういったイメージを抱くか?」は
「どの程度まで時代を遡るか?」にもよるでしょう。
多くの研究者たちも「認めない」のではなく、
当たり前のこと過ぎて、今更改めて言及することでもないので
「注目に値しない」ってことなのではないでしょーか。
※送信ミスが2回もありました。申し訳ありません。
by コステロ (2008-06-29 09:47)
この本だと、「認めようとしない」って書いてあるんですよね~。
「注目に値しない」ではなくて・・。
人間は「動物とは違う特別な存在である」ってのが根底にあるようで。
宗教の影響も大きいのかも。
アメリカなどではキリスト教の影響で進化論を学校でちゃんと教えられないとかいろいろあるので、私達が考えているより、何か複雑な事情があるのかもしれないですよね(^^;)。
by choko (2008-06-29 14:35)