SSブログ

「中国の危ない食品」すごい事になってます>中国 [本ノンフィクションいろいろ]

中国の危ない食品―中国食品安全現状調査

中国の危ない食品―中国食品安全現状調査

  • 作者: 周勍
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2007/09/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 7.5点

 

 

ペットフードによるペットの中毒死、歯磨き粉による中毒死・・・日本だけじゃなく、世界各国でいろいろ騒動を巻き起こしている中国の食品。

中国国内でも、段ボール肉まん(捏造と否定されたが、この否定も捏造なんじゃないかという話も)、ヘドロから作った油による中毒、多発する残留農薬による中毒事件・・と、次々に事件が起きている。

 

そんな、中国国内での食の現状を告発したのがこの本。

 

赤身肉が珍重されるようになった中国国内では、豚に投与するとあっという間に赤身を増やしてくれるという「豚肉の赤身化剤」が使用され、その中毒事件も起きているという。

この「赤身化剤」は、元々は喘息の治療薬だったが、心臓への負担が大きいという事で、国際的には使用が禁止されているという。

 

他にも、高濃度のDDTが残留する茶葉が市場に流通したり、寄生虫処理がちゃんとされていないタニシを食べ何人もの感染者が出たり、発ガン性のある赤色染料スーダン・レッドがケンタッキー・フライドチキンの調味料に混ざっていたり、鳥の餌に混ぜられていたり・・・とにかくあげていくとキリないほど、いろいろな食品で問題が起きている。

 

少し前ネットで、中国人は、自分の油を持ち歩いて、外食する時は、その油で自分の料理を調理して貰う・・というすごい話を読んだが、その原因は上にも書いたヘドロから作った油「地溝油」である。

下水溝にたまった油っこい浮遊物や残飯を簡単に処理して作る油だという。下水溝の浮遊物には糞便が混じっていたりもするそうだ。それを油にして、料理に使う・・・想像するだけで気持ち悪い(>_<)。

とても儲かるらしくこういうヘドロが争奪戦状態とか・・・。もちろん、この油は体に非常に悪い。屋台や小さなお店などでは、こういう油を使うところもあるらしく、状況を知っている人は、そういうものを避けるようにしているという。

 

また薬漬けの養殖魚、汚染された大地で作られる農産物・・と安全な食品があるのか?と思うほど、いろいろな物が危ない食品に変化している。

 

いろいろな所で問題が起き、取締りがされているにも関わらず、事体はほとんど改善されていないと著者は言う。

取り締まる役人は縦割りで、生産管理の役人は生産をあげたいし問題が起きても処分されるのは自分ではない。そして、処分される衛生管理をする役人の権限は小さい。また下級クラスの役人の職権乱用や業者との癒着なども事態の改善を妨げているという。

 

工場などでも、悲惨な状況は変わらない。ゴミが溢れ、汚水になったような水で食品を加工する。禁止されている薬剤も平気で使用されているし、作っている労働者のモラルも低く、嫌な事があれば腹いせに食べ物に放尿したりもするという。

また蝿をよける為にDDTを食品にかけ、そのまま出荷するなど、禁止されている添加物や薬剤を使用する工場が後を絶たないという。

 

油と同じく料理に欠かせない食品である、塩もニセモノが氾濫している。亜硝酸ナトリウムが混ぜられた塩で、亜硝酸ナトリウムは、中毒性が高く危険だという。

また毛髪で作った「毛髪醤油」なども流通しているという。毛髪には鉛・砒素などが蓄積されるので、毛髪醤油もそれで汚染されている。

とにかく、どれだけ列挙しても足りないほど、有害な物を含んだり、劣悪な環境で生産されたり、そういう危ない食品が、市場に出回り、人々の口に入っているのだ。

儲け主義と安全管理の低さ、生産者達の無知(その添加物や農薬が有毒なのを知らず使っていて自分達も食べている人も多いという)、役人の腐敗・・・いろいろな物が絡まり、中国の食の安全が危機に瀕していることを、この著者は心の底から憂えている。

北京オリンピックがもうすぐ開催されるが、大気汚染、水質汚染、食品汚染の3つの問題を抱える中国に行って大丈夫なのか?と心配になる。

そして、中国から日本に輸出されている食品に関しても気になる。

別の本で、「日本産ウナギ」として売られているウナギの蒲焼の多くは、中国で養殖され生きたまま日本に入って来て、日本で加工されたものがほとんどだと読んだ。

マラカイトグリーンの問題で、中国産ウナギの蒲焼をあまり見かけなくなり、その代わりに日本産ウナギの蒲焼が並ぶのを見るようになったが、こんなに大量の日本産ウナギの蒲焼をすぐ用意できるのが不思議だと、前から思っていた。値段が高騰しても不思議ではないのに、それほどあがっていないし・・・。でも上記の方法がとられているのなら納得だと思ってしまう。

日本の食の安全も、法の抜け道を使って儲けようとする者により、脅かされている気がする。

昨年、2007年は食品に関する偽装問題が噴出した年でもある。日本のこれからも心配だ。


nice!(0)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 5

コステロ

こーゆー無茶なことばっかやってるから、
「新種のウィルス」とかの発生源になるんですよね。
by コステロ (2008-01-22 10:02) 

choko

コステロさん

ほんと、ムチャやってますよね~(^^;)。
私の想像を越えてます。

ところで、「新種のウィルス」って何でしょう?
インフルエンザの新種は中国農村地帯で作られるから、それ?
サーズ?(古いかな?)PCウィルス(も凄いらしいですが)?
by choko (2008-01-23 22:20) 

コステロ

インフルエンザとかサーズとか、そっちの方です。

 おかしなモンを喰う
   ↓
 体内で異常が発生する
   ↓
 既存のウィルスなどと合わさって
 食った人間の体内で新種のウィルスが培養される

などと言う流れがあるそうです。

実際、サーズはこのパターンでしたよね。
by コステロ (2008-01-24 11:51) 

黒猫

ちなみにかの国は日本と違って人権意識が全く無いので、伝染病の封じ込め能力は日本より高いですよ。問答無用で隔離してしまうので。
SARSもそうやって封じ込めましたし。
日本だと人権侵害だともめている間に感染が手の付けられないレベルに拡大する可能性はあります。

それはそれとして、食の問題に関しては、田舎に住んでて良かったなあと思います。地物の食材が安く変えるのはこのご時世貴重です。
加工食品に関しては田舎も都会もありませんが・・・。
by 黒猫 (2008-01-25 01:05) 

choko

コステロさん

なるほど、そういう流れ出サーズって発生してたんですか。
勉強になりました(^^)。


黒猫さん

今年も宜しくお願いします(^^)。最近「ひぐらし・・解」の方だけみましたよ~。

中国の場合、やるとなった場合は、すごいですよね。
立退きとか、狂犬病予防とかでもムチャクチャやってた気がします。

加工食品って、やっぱり怖いですよね。
なるべく避けるようにはしてるのですが(とくに、ミンチ使ってるの)、全く避けるというのも難しいです。
by choko (2008-01-25 08:41) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。