「くう・ねる・のぐそ 自然に「愛」のお返しを」のぐそハウツー本!? [本ノンフィクションいろいろ]
7点
寄生虫研究者の本は、寄生虫への愛が溢れているし、キノコやカビ学者の本も同じ。
し尿の活用を研究しているという学者さんは、子供の頃から、うんちが大好きだったらしい。
で、この本「くう・ねる・のぐそ」。
「くう・ねる」は全く関係無い「のぐそ」の本である。
かなり「あれ」な内容なので、食事中の方などは、この先↓を読むのは避けた方が無難かも。
「のぐそ」をする場所の見極め、お尻を拭く方法、注意事項など「のぐそ」のハウツーが載っているけど、
どちらかというと「のぐそ」啓蒙本という気もする。
し尿処理施設反対の気持ちから、数十年前「のぐそ」をするようになった著者の、
のぐそ率100%までの道のりや、その苦労。
のぐそをしていることをカミングアウトし、最終的には「糞土師」を名乗るようになるまでの経過が書かれている。
キノコやコケなどの写真家でもあるので、その撮影話なども載っている(これも面白い)。
また、お尻を拭くのに最適な葉っぱの話も、柔らかさから、拭き具合、使うのによい季節など、
これまた詳しく載っている。
圧巻なのは、自分のした「のぐそ」100点以上を掘り起こし、
その分解の過程が写真付きで載っていること。
出したばかりの生々しいうんこが、土に返るまでの経過なんだけど、
最初のうんこの写真は、あまりに生々しくて、さすがにちょっと引いた。
でも、うんこってあれほど見事にとぐろが巻けるものなのかーとちとびっくりも(^^;)。
「のぐそ」を食べる生き物、分解する菌類、分解されたものを吸収する植物・・・
細かい観察により、その関係が詳しく載っているのはすごい。
最後には「糞土」の味見までしている。
トイレを使用しない為、2時間近くかけてのぐそをする場所を探したり、
雨の中ものぐその為、でかけていったり、
マチュピチュの観光をのぐその為諦めたり(できそうな場所がない)、
とにかく著者の根性と情熱には頭が下がる。
用事がある時などは、前日に用便を済ませられるようになったなんて話も。
そういえば、学生時代、生物科の人で、うんこに集まる生き物を研究していた人は、
細切れに用便をする事ができたらしい。
山に入ると、ちょくちょくと茂みに入っては「出し」、入っては「出し」し、
帰りに「出したもの」を回収して山を降りていたらしい
(彼が所属している研究室のビーカーは危険だと言われていた(爆))。
人間、やればできるものだ(^^;)。
のぐそ千日連続記録達成の時のパーティでは、食べ物がみんな「うんこ」絡みの形をしていたらしい。
その写真が一つしか載ってなかったのは残念。
著者は、糞便を集めて再利用するのではなく、のぐそをすることで、
直接自然に関わり、食物連鎖の中に自分も入ることが大切だと説いている。
のぐそをする場所を探す事により、自然が減っていく現状を目の当たりにしたりしているので、
それもわかるが、やはり大勢の人がいっせいにのぐそをするようになると弊害が大き過ぎると思う。
著者も指摘されたりして、大勢がのぐそをする問題点も認識しているのだが、
人が集中して住んでいるのが悪いので、みながバラバラに住むようになれば
過疎も解決するし、のぐその問題も・・・というようなことを書いている。
でも、これは極論すぎるだろう(^^;)。
社会構造や産業構造全体に関わる問題だし。
のぐそ啓蒙部分は、賛同できないところもあるけど、
とにかく、著者の「のぐそ」へのこだわりと、詳細な記録には脱帽。
こんな本、他には無いぞっ!
興味を持った方はどうぞ。
新たなる世界が広がるかもしれない(^^;)。
むかし友人とパリに遊びに行った時、夜間からの出発だったので
その晩は郊外にある森林公園の敷地内に車を停めて、
「車中泊」と言うコトになりました。
で、せっかく戸外で寝るのだから、じゃぁ用足しも外でしよう、などと、
レストランでメシくって、その後わざわざガマンして公園まで戻って、
野外脱糞をしたことがあります。
しかしその公園は、有名なハッテン場だったので
別な意味でモノスゴーク怖い思いをした覚えがありますね。
まるで、サファリパークで一晩明かしたようでした。
by コステロ (2009-06-11 09:38)
コステロさん
わー、イモムシ食に続き、こちらも経験済みですか(^^;)。
サバイバルな生活も平気そうですが、
やっぱり本当に怖いのは、「人」でしょうかね(^^;)。
by choko (2009-06-11 21:35)