「自分の体で実験したい-命がけの科学者列伝」素晴らしい!というよりすごすぎ!って人もいる [本ノンフィクションいろいろ]
7.8点
自分の体を使って実験し、科学の進歩などに貢献した人々の話が載っている本。
ちょびさんのブログで知りました。
有名なのはキューリー夫人。
小さな実験室で、1トンものウラン鉱石からラジウムを取り出したらしい。
子供の頃、キューリー夫人の伝記を読んで、暗闇で青白く光るラジウムなんてのに、
ロマンを感じたけど、危険なチェレンコフ光をあびてたわけで(^^;)。
彼女の場合、放射性物質が危険だと認識されたあとでも、素手で触っていたらしい。
他にも、人間はどれほどの高温に耐えられるかの実験を繰り返した科学者や、
病気の研究のため、自分がわざと感染し、発病やその経過の記録を残しながら、
その病に倒れてしまった医者に関しても載っている。
その中で、素晴らしいというより、すごすぎ!!と思ったのが、
第7章「危険な空気を吸い続けた親子」で取り上げられている
ジョン・スコット・ホールデーンと、その息子のジャック。
ヘリウム、二酸化炭素、そして一酸化炭素まで、とにかくいろいろなガスを吸ったり、
塩酸、重曹などいろいろな物を飲んだりして、
その影響を調べたり、外気の入らない狭い木箱に数時間こもったり、
「よくぞここまでっ!」ということを、繰り返し実験している。
実験の後、しばらく歩けなくなったり、嘔吐や頭痛などに苦しむことも多かったのに
(それは1週間以上続くことも)、
この親子は何年にも渡ってそのような実験を繰り返したらしい。
ホールデーン家の家訓は「耐えよ」だったらしいけど、
耐えすぎ(^^;)。
でも彼ら親子のおかげで、炭鉱での事故、潜水病や高山病などの
原因と対策が驚くほど進んだという。
炭鉱などにカナリアを連れて行くというのも、彼らの案らしい。
全部で10章、どの話を読んでも、感心できるし、感嘆できる。
お勧め!!!
そういう人たちは「危険に身を置く」のが好きなんでしょうね(笑
一回やったら病み付きになっちゃった、とか、
「アドレナリン中毒」なのかもしれません(笑
by コステロ (2009-08-24 09:20)
コステロさん
他の人を人体実験に使うくらいなら、自分が実験台になった方がいい
という志しの元、行ってる人も多いですが、
私が一番感銘(?)を受けたホールデーン親子の息子のほうは、
スリリングなことが大好きで、危険や刺激の無い人生はつまらないと
思っていたようです(^^;)(コステロさんが指摘してる通りのタイプですね)。
危険や刺激的なことが大好きなだけじゃなく、
苦痛や不快感に人一倍耐性がある親子でもあったみたいです(^_^;)。
by choko (2009-08-24 16:02)