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「サンマイ崩れ」吉岡暁、ストーリーを楽しむホラー。先が気になる気になる!! [本:ホラー&ミステリー]


サンマイ崩れ (角川ホラー文庫)

サンマイ崩れ (角川ホラー文庫)

  • 作者: 吉岡 暁
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2008/07/25
  • メディア: 文庫


7.8点

短編「サンマイ崩れ」と中編「ウスサマ明王」の二編を収録。

土砂崩れに襲われた集落。
精神病院を抜け出し、土砂崩れに流された墓地の応急処置の手伝いに加わった主人公が、
そこで体験したことを描く短編「サンマイ崩れ」。

どうって事の無い話なのに、登場人物の台詞やちょっとしたしぐさが緊迫感を盛り上げ、
どんどん話しに引き込まれてしまう。
怪談系で、こじんまりとまとまってしまった感はあるが、面白く読めた。

個人的には「ウスサマ明王」がすごく面白かった。
祠にまつわる呪いと、謎の怪物との戦いを描いた話。

明治時代、生活に困窮した浮浪者達一家が、一時的にお寺のお堂に身を寄せた。
そこは、「お豊の祟り」があるといわれる場所だった。
そこで、浮浪者一家を襲った恐怖とは・・。

時代は流れ現代。
寒村で起こった惨殺事件。
その事件を起こした怪物と、それを追う特殊部隊。
特殊部隊は遂に怪物を追い詰めたかにみえたが・・・。

過去の出来事と、現代の出来事が平行して語られ、それが徐々につながっていく。
怪物との戦闘シーンは、迫力満点。
映画「プレデター」(シュワルツネガーみたいなヒーローはいないけど)などの
アクションSF映画を見ているような感じで楽しめる。

呪い不気味さと、迫力ある戦闘アクション、それが上手く融合して
エンターテイメント物としてすごく楽しめる作品になってる。

両方とも、登場人物や情景の描写が上手く、著者の力量を感じる作品。

お勧めっ!!!

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