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「姑獲鳥の夏」京極夏彦著:京極夏彦デビュー作、京極堂シリーズを読むならこれから! [本:ホラー&ミステリー]


姑獲鳥の夏 (KODANSHA NOVELS)

姑獲鳥の夏 (KODANSHA NOVELS)

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1994/08/31
  • メディア: 新書
7点

京極夏彦のデビュー作。
京極堂シリーズの1冊目。

「二十ヶ月もの間、子供を身篭っていられるか」それが発端だった。
久遠寺という産院の娘が、そうだと言う。
それだけでなく、その産院には忌まわしい評判がつきまとっていた。
健康で生まれたはずの赤ん坊が次々に殺され死産扱いに、婿養子に入った男は密室から失踪・・・。
探偵榎木津と失踪した婿の消息を調査するはめになった関口。
関口には、自ら記憶を封印し忘れてしまったおぞましい過去が。
それが、調査の依頼人久遠寺涼子との出会いで解き放たれようとする・・・。

京極夏彦は、映像的に強いイメージを残す描写が上手い。
この話でも、序盤で語られる、赤ん坊を抱き、下半身が血まみれの忌まわしい姑獲鳥の姿が、
読み進めていく間、心のどこかを占領し、作品全体に影響を与えている。

ストーリー的には、「魍魎の匣」より登場人物も、絡み合った事件も少ないので、
わかりやすく、サクサクと読める。
ページ数もかなり少ないし(文庫版なら630pとちょっと厚いくらい)。
絡み合った事件が少ないので、何となく推測できちゃう部分が当たってると、
「魍魎の匣」よりは、ラストの面白さが減ってしまうのは残念。

面白かったけど、「魍魎の匣」の次に読んでしまったのを後悔。

京極夏彦は「上手い」作家でもあるが、1作目の「姑獲鳥の夏」より、
2作目の「魍魎の匣」の方が、格段に「上手く」なってるのだ。
「姑獲鳥の夏」が出た直後ではなく、「魍魎の匣」が出た後に、
京極夏彦の評価が高くなったのも、すごくわかる。

2作目を読んだ後、1作目を読むと、その拙さ(それでも上手いんだけど)が気になる。

コミックで、「〇〇」などのシリーズを読んで面白かったので、
最初の話も読んでみたら、話は面白いけど、絵の拙さが気になるってケースと似た感じか。
出た順番に読めば、そういう拙さも気にならず楽しめたのに・・と残念に思う、そんな心理。

ということで、面白かったけど、出た順番で読めば良かった~とちょっと後悔。

この後、「塗仏の宴」を読もうと思ってたけど、出た順番通り「狂骨の夢」を読む事にしました。
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コメント 2

ufavan

これも映画だけ見てるんです^^
分厚いからって 敬遠しちゃいけないと分かってるのですが^^;

魍魎と比べると 重厚感に欠ける感じですが
全体の雰囲気は好きな作品でした^^

これからも 京極さんを読み進めるのですね
ぼくも いいかげん本を読まねば・・・orz

by ufavan (2010-09-14 07:52) 

choko

ufavanさん

「魍魎の匣」の方が、緻密さでも、雰囲気でも、
上でしたよね~。
感想にも書きましたが、先にこちらを読めば良かったと
思ってしまいました。

>分厚いからって 敬遠しちゃいけないと
分厚くても読みたくなる時が来るかもしれませんし、
どんな理由でも「読みたいと思った時」が読み時かと(^^)。
私も、やっと「読みたい時」が来たって感じです(^^;)。
by choko (2010-09-14 09:14) 

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