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「狂骨の夢」京極夏彦著:シリーズ3作目、「魍魎の匣」の方が面白かったかも・・・ [本:ホラー&ミステリー]


狂骨の夢 (講談社ノベルス)

狂骨の夢 (講談社ノベルス)

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1995/05/09
  • メディア: 新書
7.3点

姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」に続く京極堂シリーズ3作目。

京極堂シリーズは、タイトルと内容が密接に絡み合っている。
今回も、「骨」と「夢」に絡んで話が進んでいく。

戦時中、徴兵を逃れる為逃亡し、首なし死体として発見された男。
これが始まりだったのか。
時は流れ戦後。
夢で別の人間の人生を鮮やかに見る女。
彼女は、深海に沈み骨となる悪夢も繰り返し見ていた。
そして、彼女は連日訪れる死んだはずの元夫を毎回殺し、首を切り落としていると告白する。
うず高く積み上げられた骨の周囲で怪しげな行為を行う男女の夢を見る男。
山中で起きた集団自殺。
海に浮かんでいたという黄金髑髏の噂。
そして、釣り人が発見した生首。

全く関係が無いと思われた様々な事柄が、意外な関係を持っていた。
複雑に絡み合う思惑と事件、取り憑かれた人々の憑き物を京極堂は払う事ができるのか?

「魍魎の匣」は、関連する一つの流れだと思われた事件が、
何本かの線が交わるように、別々の事件が要所要所で接点を持っているだけだったという
構成になっている。
逆に、「狂骨の夢」は、全く関係が無いと思われた事件が、一つにまとまっていくという構成。

バラバラだと思われた事柄が一つにまとまっていく・・・という展開は、
ワクワクして面白いものなんだけど、「狂骨の夢」の場合、
あまりに事例が多すぎて、収束していく気持よさを実感できなかった気が。
ちょっと無理があるなーと思える部分もあったし。
ウンチクは、「夢」ということで「フロイト」や「ユング」の話が多かったけど、
これに興味を持てなかった(若い頃ははまったけどね~(^^;))のも残念。

多数のバラバラな事柄を一つにまとめあげた京極夏彦の手腕には感心するし、
面白く読めたけど、「魍魎の匣」に比べると、ワンランク落ちる気がしました。
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コメント 2

rudies

そうですか…

やはり、魍魎の匣が面白いのですね。

むむむ、頑張って読破しよう〜。(^_^;)
by rudies (2010-10-01 17:36) 

choko

rudiesさん

うんうん、まだ3作しか読んでませんが、
「魍魎の匣」が一番面白かったです。

でも、順番に読めれば、「姑獲鳥の夏」から入る方が、
後々後悔が少ないかも(^^;)。

by choko (2010-10-01 21:38) 

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