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「お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ50の法則」有吉弘行著:超後ろ向きな前向きさが目からウロコ! [本ノンフィクションいろいろ]

お前なんかもう死んでいる ~プロ一発屋に学ぶ50の法則~

お前なんかもう死んでいる ~プロ一発屋に学ぶ50の法則~

  • 作者: 有吉 弘行
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2010/06/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
7.8点

少し前(震災前後に読んだので記事アップのタイミングを逃してしまった)
ワーキングプア いくら働いても報われない時代が来る
若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来
7割は課長にさえなれません」なんかをざっと読んだ。

「ワーキングプア」では、非正規雇用の拡大と弊害などについて。
これに関しては、2006年発行とちょっと古い本なので、既に言われている事が多く、再確認という感じ。

「若者は・・」と「7割は・・」は、採用側と採用される側のミスマッチや、
年功序列の問題点などがメインに語られていた。
言いたいことはわかるんだけど、どうもピンと来ない感じ。
結局、既にみんなが満たされるほどのパイが無いわけで、年功序列を廃止して、
若者にパイを振れば、中高年だけでなく、その家庭の子供達までが影響を受ける。
何かを変革すれば、どこかにしわ寄せが行き、血が流れるわけで、
その痛み、弊害まで触れられていないのが気になった。
この辺は血みどろになっちゃうけど、日本の将来を考えればしょうがない!ぐらいの勢いがあるなら、
なるほど~とか思ったかもしれないけど(^^;)。
ただ確かに、今のままじゃ日本はまずいと思うし、先が見えない閉塞感はすごくある。

そんな時、おおおおっと思ったのが、「猿岩石」で一発あて、現在「毒舌」で再ブレイク中の
有吉弘行のこの本!

もう、最高に後ろ向きな前向きさ!
一度地獄を見た著者だからこそ書ける内容!

はじめに「ザマアミロ!一億総芸人時代がやってきた」と、将来安泰なはずだったサラリーマンが、
いつ落ちるかわからない芸人と同じになったと著者は喜んでる。
上記の本でピンと来なかったのは、企業の体質を変えようとしてるからなんですよね。
実際は、人々の考え方や価値観が先に変わらなきゃダメなんだなーと、この本を読んですごく思った。

将来安泰なんて無いっ!先は見えない!これが当たり前!
実際そうなりつつあるのに、それを受け入れられないからこそ焦る。

地道に努力すれば報われた社会。
家を持って、配偶者と子供達と暮らす、そして老後は悠々自適・・・
そういう昔ながらの幸せに対しての評価は変わり、望む幸せのタイプも多様化してしまっているけど、
いまだにそう思う人も多いだろう。
でも、これからの社会、今まで当たり前だったことは当たり前じゃなくなる可能性が大。
データでも将来、男性3人に1人、女性4人に1人が生涯独身。
独身である理由はいろいろあるけど、そこには貧困が大きく影を落とす。
ワーキングプアがこれからもどんどん増えていく可能性も大。
先が見えない自分の将来に絶望する人も増えるだろう。
そんな社会に向けて、この本には、心構えがいっぱい。

1章~3章までは、有吉のブレイク中からどん底生活までの実体験。
一度に給料4000万貰ったり、月収が100万だった頃から、
月収0が、何年も続く生活に。
自分のプライド、あがき、自殺した方が楽だと思ったのを思いとどまった理由・・、
ローゼ(ノイローゼ)にまでなった有吉の見た地獄の話はかなり重いです。
でも、重いからこそ、伝わってくるものがあるし、
リアルだからこそ、そこで発見した各法則も納得行くものが。

第4章「プロ一発屋9つの法則」と第5章「現代人へ贈る15の法則」は、
来るべき社会に対する超後ろ向きだけど、参考になる視点がいっぱい。

「身の丈以下の会社を選んで、お山の大将でいよう」
「人からは過小評価されよう」
「万が一の時に備えて行きつけの店では愛想良く(働かせてもらう為)」
「世の中実力じゃなくて運だけ」
「先のことなんて考えない方がいい、暗い未来しか見えないから」
「夢や希望なんて持たない!潰れた時のダメージの方が大きい」
「自分磨きしてるより、人を見極める努力をしろ」・・・etc。

夢や希望の話は、開店前のパチンコ屋さんに夢と希望を持って並んでいる人が、
引き合いに出されてました(^^;)。
この手の参考事例が、ツボをついてて面白い。

「「やりがい」なんて、金物屋のババアの手芸品だ!」(他人から見れば陳腐で自己満足って事
でしょうか)とか、「自己実現、やりがいの基準なんて時給1250円だ」とか(^^;)。

特に印象的だったのは、節約してお金をたくさん残して無くなったお年寄りの話。
「みんなは、こんなに貯めたのに使わないで逝っちゃって」というけど、
「通帳にお金があるなーって安心感の中幸せに死んでいった」と有吉は断言する。
お金が全く無い、通帳の残高を見て震え上がった経験があるからこそ言える言葉。

「高田純次」の処世術とかぶるところもあったけど(高田純次も一時期苦労したみたいだしね)、
笑えるネタも多く面白かった。

ここまで後ろ向きに生きていく人ばかりな社会になったら困るけど、
時代の閉塞感に押しつぶされそうになった時、こういう価値観もあるんだなーって、
読むのにはすごくいい。
いつか、息子に読むよう薦めるかもしれない(^^;)。

ダチョウ倶楽部の上島竜兵がすごく(人の?)いい人だというのもわかる。
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