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「鬱ごはん」(1巻)施川ユウキ著:食べ物系マンガだけど、これほど美味しくなさそうなのも珍しい(笑)。でも妙な味がある♪ [本:コミック]

鬱ごはん(1) (ヤングチャンピオン烈コミックス)

鬱ごはん(1) (ヤングチャンピオン烈コミックス)

  • 作者: 施川ユウキ
  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 2013/04/19
  • メディア: コミック
7.5点

主人公鬱野たけしは、就職浪人。
黒猫の姿をした「妖精」(キツイツッコミや皮肉を言う)が見える。
就職もできない自分自身を皮肉な目線で眺めつつ、毎日鬱々と過ごす日々。
でも、お腹はすくので、食事をする。
その食事風景がメインの話。

とにかく、にちゃにちゃ、ぼそぼそ、ゲフッ・・・まずそうに食べる主人公。
食べ物マンガなのに、こんなにまずそうなのは前例が無い!

食事を作業と捉え「いつか死ぬその日まで飯を食べ続けるのにうんざり」している主人公。
美味しそうなはずの豚の生姜焼きに対し、幻覚の黒猫は「うまいか?豚の死体」と問いかける。

潔癖症のきらいがある主人公、回転寿司では、機械が握っている事を確認し安心、
ホットケーキを自作した折りには、ポトンとマットに落ちてしまったホットケーキの種を見て、
そこにうようようようよと雑菌が繁殖することを想像し、必死で掃除する
(ホットケーキを焼く途中にできる穴を見て、「コモリガエル」を連想してるし(^^;))。

「美味しい」「旨い」などの表現はなく、油っぽいとか熱いとか、しょっぱいとか、餌のようだとか、
ネガティブな表現満載!
「うん、普通!」が最大の褒め言葉。

包丁を買いに行って、「鬱々とした若者が包丁一本だけ買う姿は不審者そのものだ」と怖気づき、
パン切り包丁(で人を襲う奴はいないとの考えの元)を購入したエピソードは、
どうも著者の体験らしい(^^;)。

で、この「鬱ごはん」好きです(〃∇〃)!
「旨い」「美味しい!」「食べるのって楽しい!幸せ」って視点じゃない食マンガって、
ああ、こんな捉え方があるんだっ!!って、すごく新鮮で面白い!

またこの鬱ごはんの主人公と似たような青春を送っていたらしい著者があとがきで描いているように、
「主人公鬱野たけしは、バイトでも酷い目にあってるわけでもなく、
貧困にあえいでいるわけでもなく、病気でもない、鬱々とした状態も含め
人生を楽しんでいる」っていう部分が、作品をどよーんとした重さに包まれるのを防いでいて、
鬱々していて、理屈っぽく、無駄に周囲に気を遣い、いろいろこだわり、運も悪く、
それらの結果、悲惨な目にあう主人公の生活を「切なすぎるし、辛いこともある(ありすぎる)けど、
味のあるもの」として描いているのがいいっ!

ただ、ただでさえ食欲が無くなりそうな、まずそ~な食事風景が多い上、
吐瀉物などの表現も多いので、食事の前に読むのはやめたほうがいい気が(^^;)。
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