「馬鹿が止まらない」「いつだって大変な時代」堀井憲一郎著:裏本にドキドキ、電車賃を交番に泣きつく・・馬鹿なことやってた著者は、現在居酒屋で説教するおやじみたいになってた(-_-;) [本:エッセイ]
7点
4点
1990年代に出た、どうしようもないような些細な事を詳細に調査した
「この役立たず!―ホリイのずんずん調査」は、とっても面白かった♪
そして、「ホリイのずんずん調査 かつて誰も調べなかった100の謎」という似た内容の本が
2013年8月に出たと知り、嬉しかった♪
図書館のリクエストの順番待ちの間、他の堀井憲一郎の本を読もうと思って、2冊ほど借りてみた。
・・・・・・・・・・・・・・・月日が流れば人は変わる・・・、いや、元々本質はこうだったのか・・・と、
思ってしまう2冊の内容の格差に愕然(-"-;A。
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「馬鹿が止まらない」は1990年代、著者が30代の頃に出されたエッセイ。
裏本を買いに行った時の高揚感、貧乏学生なのに奮発して中華丼、勢いで餃子まで
頼んでしまい予算オーバー、帰りの電車賃が無くなり交番に泣きついた話、
大脱肛して肛門科で治療、ビーチサンダルを履いて国会議員にインタビュー、
トホホな就職活動・・・・etc、タイトル通り「馬鹿だなー」「トホホだなー」、
でもこういうのってわかるなーって、感じの内容満載のエッセイ。
途中「原田宗典」のエッセイに似てると思ったら、巻末に「影響を受けてる」と書いてあった。
序盤中島らも、中盤丸谷才一を参考(?)にしてたらしいが、そちらはあまり読んでないのでわからず。
というか、原田宗典のエッセイの文章は、わかりやすいカラーがあるからわかったのかも。
まぁ、こういうとほほなバカ話は好きなので、面白く読んだ。
しかし、著者が50代になって書いた「いつだって大変な時代」は、全く違うテイストだった。
「大変な時代だ、大変な時代だと言われているが、いつだって大変な時代なんだ」という
切り口で書かれたエッセイ。
スタンスは、「世の中の人間は、何でこんな簡単なことに気が付かないで騒いでるんだ。
俺はちゃんとわかってるのに」と、居酒屋で酔っ払ったおじさんがとうとうと語りそうな、
主観的過ぎる「今の世の中はダメだ」的説教が延々と書いてあるというか・・・・(-_-;)。
もちろん「確かにそうかも」と思える部分もあったけど、主観的な狭い視点で世の中を見つめ、
語られる説教が延々と続くというのは、辛かった・・・・。
こういうのは共感できないと、本当に辛い。
共感出来る人は、自分の考えを、代弁してくれてありがとう!って思えるんだろうけど、
かなり詰めが甘い論理展開をしているので、そうじゃない場合、
本なので、一方的に語りかけられるから、突っ込みたいところ、反論したいところ、
もっと細部を聞きたいところ・・・たくさんあるのに、何もできずにストレス。
ああ、堀井憲一郎はおじさんになっちゃったんだなぁ・・・と、悲しくなってしまった。
自分もおばさんになってて、同じような傾向があるんだけどね(-_-;)ちょっとした情報を
自己流に解釈して解った気になるというか。
自分を見てるようで辛くもあったのか?
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