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「大江戸庶民いろいろ事情」 石川 英輔 [本:歴史]

「大江戸庶民いろいろ事情」 著:石川 英輔 (講談社文庫) 7点

庶民の生活の様子から、江戸時代の省エネルギー生活の素晴らしさを解き、明治維新以来西洋化し大量消費社会へと変貌した日本に、昔の良い所をもう一度見直そうと問い掛ける本。

あまりに江戸時代の無駄の無い社会を褒め称えるので、少し引いてしまったんだけど、本屋でチェックしてみたら、同じ様なテーマを扱った本が他にも出ており、そういう動きが活発化しているのかな?

確かに、石油が後30年で無くなる無くなると言われて久しい。まだ現実には枯渇していないけど、産出量の減少という状況にはなって来ているし、温暖化の問題などもあり、今の大量消費社会は見直すべき時期に入っているとも言える。何千年という歴史を持つ人間が、水質汚染、大気汚染、砂漠化、温暖化とここまで自然環境を破壊したのは、ここ100年ぐらいの事だと考えると、恐ろしくもある。

そういう状況の今、江戸時代のような生活に完全に戻るというのは無理でも、無駄の無い完璧なリサイクル社会が成り立っていたという事を知るというのは大きいと思う。

エネルギー問題だけではなく、江戸時代の庶民の食事や、結婚事情、言葉の変化に関するコラムなども載っている。江戸時代の庶民の食事には現在でも普通に食べられている物が多く、びっくり。

言葉の変化に関しては今では良い意味で使われる事が多い「こだわり」という言葉を、昔は悪い意味で使われていた言葉で、悪い方の意味でとらえる読者もいるかもしれない・・と良い意味で使うのを頑なに避けている著者の頑固さが印象的だった。

言われてみれば、私が子供の頃は「こだわり」は悪い意味だったなぁ。もうすっかり馴染んでしまったけど。

この本を読んで、日本文化の良い部分、今との違いなどを再認識してみるのもいいと思う。


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