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「定本 畸人研究Z」 [本ノンフィクションいろいろ]

「定本 畸人研究Z」 著:畸人研究学会 (ちくま文庫) 7.5点

本屋でぶらぶらしている時見つけた本。

手にとってパラパラとめくって見ると目に飛び込んできたのが「いきなりベスピオ火山」の文字。

ローソンの駐車場で「ベスビオ火山」と叫びつつ、うろうろしている畸人の話だった。その出会いを「のっけから実に素晴らしかった」と賞賛している。

「買おう!」と決心してレジへ。インターネット書店が増え、欲しい本は家にいながらにして手に入るようにはなっているが、こういう出会いがあるから本屋に行くのは楽しい。

「ベスビオ火山」の人以外にも、路上に数字を書き続けるかなり危ない畸人さんから、自分で城を建ててしまったぐらいの凄い職人技が光る畸人さん、カストロを名乗り本籍もキューバと主張し、別名は徳川吉宗という畸人さんなど、いろいろな畸人さんのインタビューやレポートがテンコ盛。

この本では「奇人」ではなく「畸人」の文字を敢えて使っている。「畸」ははみ出し者という意味らしい。

畸人というと、見るからに怪しく、頑なで、側に近寄るのも怖いし、話し掛けても無視される・・というイメージが強かったのだけど、意外にフレンドリーな人が多くてびっくり。

中には奥さんを大事にして、仲良く暮らしている畸人さんもいて、思わずほのぼのしてしまった。奥さんとのやり取りは普通と思えるのに、自分の主張に関しては常軌を逸していて、その微妙なバランス(バランスが取れているというより、異質な物が同居しているという感じだけど)がまた凄い。

畸人の、社会の枠に捕らわれない、本能に基づいた自然体な生き方というのは、ある意味清清しい。この本の著者達もそういう点を賞賛している。

ある畸人さんが持つ温室に書いてある「宇宙船内は死人に口無し。白・黒・黄人は因果律が助ける」という言葉には感動。普通に考えたら出てこない言葉だよね。やっぱり不思議な脳内ブラックボックスを持っているんだろうなぁ。

この「畸人研究学会」が出している同人誌は、「タコシェ」というネット書店で買えるみたいで、ちょっと心惹かれている。


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コメント 4

瑠璃子

こんにちは。はじめまして
これ私もよみました。面白かったです。私もたまにき畸人さんに会いますが
とても多くのことを教えてくれます。貴重ですよ彼らは。
by 瑠璃子 (2005-01-27 16:25) 

choko

コメントありがとうございます(^_^)。
畸人さんに会う機会があるとは凄いです。
気にしていると出会えるものなのでしょうか?遭遇したら遭遇したで、私の場合、思わず引いてしまいそうな気はするのですが・・(^^;)。
by choko (2005-01-27 21:11) 

瑠璃子

私の場合「根本敬」の本をもっていると畸人さんに会います。
電車の中でいきなり横に座ってきたりとか。サブカル系ですけど他にコンナブログ書いてます。http://pussycat.cocolog-nifty.com/fpkk9822/←畸人さんのことを私は電気菩薩、濃度の薄い方をお使いと称してます。もしよければ参考に。
by 瑠璃子 (2005-01-27 21:43) 

choko

「根本敬」の本は畸人さんを呼びますか。何となくわかる気が(笑)。
ブログの紹介ありがとうございます♪さっそく拝見させて頂きました。
黄色い看板集団にカメラを向ける勇気に感動!「濃度の薄い方」=「お使い」は受けてしまいました。
by choko (2005-01-28 07:46) 

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