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「エクソシスト」 ウィリアム・ピーター・ブラッティ [本:ホラー&ミステリー]

エクソシスト

エクソシスト

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1999/07
  • メディア: 文庫
7.5点
自分の本棚から発掘した「買った記憶が全く無い本」第2弾(^^;)。
「エクソシスト」といえば、やっぱり映画の方が有名で、原作があるなんて全く知りませんでした(原作買っていたのに・・・情けない)。
映画の原作を読むと、良い意味でも悪い意味でも映画の内容とのギャップに驚いたりする事が多いけど、「エクソシスト」の場合、映画の脚本も原作者が手がけているようで、思ったよりギャップは無く、逆に原作に忠実なシーンも多くてびっくりしたぐらい。もちろん、ボリュームがかなりある原作なので、映画に比べ登場人物のやり取りが密に描かれていたり、映画では単なる脇役でしかなかった人のサブストーリーがあったりと、映画「エクソシスト」が好きな人ならば読んで楽しめると思う。
映画の「エクソシスト」は好きで、少なくとも3~4回ぐらい見ている気がする。
最初に見た時は子供だった事もあって、悪魔に憑依された少女リーガンの変貌の様子や、悪魔に取り憑かれるという事事態がとっても怖かった記憶があるが(子供って何となく信じちゃったりするんだよね(^^;))、後になって見てみると、どちらかと言えば、カラス神父の母親に対する罪の意識や、信仰への葛藤などの部分に興味を引かれた。
原作でも、やはりメインはカラス神父の心の葛藤。
そういえば、映画「エクソシスト」は毎回テレビ放送で見ている。という事で、全て日本語吹替え版。それでまいったのがキンダーマン警部。他の登場人物はそうでも無いのに、何故か作中のキンダーマン警部の台詞だけ、頭の中を日本語のダミ声キンダーマン警部の声がよぎって、気が散る気が散る(^^;)。それだけ印象的なしゃべり方をしていたんだと思うんだけど>日本語吹替え版。
映画の「エクソシスト2」のできがあまりに悪かったので、「エクソシスト3」は見ていなかったんだけど、後書きを読むと、正当な続編は「エクソシスト3」らしい。著者のブラッティが3の原作も書いているし(読みたいと思ったんだけど、翻訳されていないらしい)。ということで、今度「エクソシスト3」を見てみようと思ってしまった。
もう一つ後書きに気になる記述があった。著者であるブラッティは、元々司祭になるべく勉強をしていたのが、最終的に司祭にはならずショウビジネスの世界に入ったというもので、この「エクソシスト」は「カトリックプロパガンダ」本であると書かれていた。確かに、「エクソシスト」の中では「神を信じる心」の大切さが語られているし、「悪魔は神のコマーシャルである」というような台詞もある。これは悪魔の存在すら、神の所存だといいたいのかな?
まぁ、この部分は、「悪魔や魔女の存在を誇示する事により恐怖心を煽り、信仰に走らせようとした」教会の昔のやり方(一神教の場合、対立する何か(ここでは悪魔)の存在は必要だとは思うんだけど)を、キレイ事で隠しているんじゃないの?と突っ込みを入れたくなってしまったが(^^;)。
 モダンホラーに多大なる影響を与えた映画「エクソシスト」。公開当時は、ショッキングな映像が話題を呼んだが、今見れば、その部分は衝撃的とは言えなくなっている。しかし、登場人物の心理描写や、オカルティックな雰囲気など、時が過ぎたからといって色褪せてしまわない部分がたくさんある映画でもある。そして、原作ではその色褪せない部分がメインとなっているだけに、今でも読む価値がある一冊であるとも思う。

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