「弁頭屋」「姉飼」遠藤徹 [本:ホラー&ミステリー]
両方とも、異形の物を描いた短編集である。
「姉飼」で、「姉」という見世物にされ、串刺しにされる生き物の話を描いているように、遠藤徹は、普通の生活の中に異形の物を溶け込ませた話を書く。「何故?」という問いに答えはなく、異形の物達は、普通にその世界に存在するのである。
そこに広がるのは、血や臓物が溢れたおぞましい世界である。それを堪能したい方にお勧め。
ただ、短編集で、収録されている作品の傾向にばらつきがあり、ファンタジーっぽいのや、近未来っぽい作品、ドタバタ不条理物など、統一性に欠ける。
「弁頭屋」に収録されている「桃色遊戯」は、ダニが世界を破滅させる話で、生理的嫌悪感に満ち溢れた作品で、読んでいて体がムズムズしてしまった(^^;)。
コメント 0