「病の世紀」牧野修 人体を発火させる黴、殺人鬼へと豹変させるウィルス・・ [本:ホラー&ミステリー]
人体発火を起こすカビ、黙示録の「666」を連想する形状をし、感染すると殺人鬼に変貌させるウィルス・・日本で次々に奇病が発生する。
奇病と、その背後に見え隠れする悪意ある意志という事で、ストーリーの流れは「傀儡后」を連想させる。
しかし「傀儡后」が、世界の終わりを予兆するような退廃的な近未来が舞台の近未来SFだったのと違い、こちらの舞台は現代の日本、「傀儡后」に比べるとホラーティストなバイオハザード物となっている。
電波系の人物とそれをウオッチするのを趣味としている人物が出てくるのだが、その描写は秀逸。
前半は奇病の発生、それと絡められた聖書の引用などホラー仕立てだが、後半は背後にある陰謀を探る事が中心となっているので、ホラーというよりサスペンス色が強い印象が残る。
もうちょっとホラーティストが強い方が好みだけど、バイオハザード系、奇病系は好きなジャンルだし、出てくる奇病はかなり独創的なので面白く読めた。
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