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「フルトヴェングラー グレート・レコーディングズ」 [本:歴史]

フルトヴェングラー グレート・レコーディングズ

フルトヴェングラー グレート・レコーディングズ

  • 作者: ジョン アードイン
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 2000/12
  • メディア: 単行本
  • 8点

 

フルトヴェングラーは私が始めて音楽を聴いて意識した指揮者だと思う。

かなり前の事だけど、レコード屋の店頭で聴いたベートーヴェンの「運命」があまりに印象的だったので、思わず指揮者を確認してしまった。それがフルトヴェングラーだったのだ。そんなにクラシックは聴かなかった事もあり、指揮者を意識して曲を聴くなんて事がなかった私にそれをさせてしまったというのが、フルトヴェングラーの凄さなのかも。

この本の中にも、「フルトヴェングラーは、一部の人々を非常に魅了するものを持っている」というような記述があるのだが、私も魅了された一人なのかもしれない。

この本では、前半が第二次世界大戦時代を中心にしたフルトヴェングラー史。ナチス支配下のドイツに残って演奏活動を続けた為、大戦終了後戦犯として一時期演奏活動を禁止されてしまったフルトヴェングラー。その後誤解は解け、1947年には演奏活動を再開する事ができるが、この事が大戦後のフルトヴェングラーの活動に大きく影を落としたのは確かである。

この本では、何故フルトヴェングラーがドイツに残り演奏活動を続けたのか、その葛藤と彼の音楽への姿勢を描いている。

また、フルトヴェングラーの演奏の凄さみたいなものの解説も。曲を1つの大きな流れとして捉え、ドラマチックに演奏するフルトヴェングラー。当時、デオニッソスとアポロンと対比されたトスカニーニとの違い、メンデルスゾーンとワーグナーから始まった指揮法の違いなども解説している。

後半は、フルトヴェングラーの演奏活動や、現在残っている録音に関する「フルトヴェングラーレコーディング史」となっている。フルトヴェングラーの録音は、古い物が多く、音質的によいとは言えない物が多い。フルトヴェングラーファンが、次々に出る同じ演奏のCDを次々に買ってしまうのも、音質がいいCDを求めての事なんだろう(聞き比べて見ると、同じ日の演奏でも、CDによって音がかなり違うのにはびっくした)。

貧弱な再生システムで聴いている私ですら、演奏を聴いていて、もう少し音質が良ければ(T_T)!と思う事があるぐらいだし。

フルトヴェングラーのお墓は、ドイツのハイデルベルグにあるとか。昔そこに旅行に行った時点でフルトヴェングラーを知っていればお墓まいりに行ったのに。そう思うぐらい、フルトヴェングラーは私にとっては特別な指揮者なのでした。


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