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「文明崩壊」ジャレド・ダイアモンド [本ノンフィクションいろいろ]

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)

  • 作者: ジャレド・ダイアモンド
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2005/12/21
  • メディア: 単行本
9点
 
知人が昨年読んだノンフィクションではベスト!と褒めていたので読んで見た。
確かに面白い!!まだ3月だけど、今年のベストになってしまうかも・・というぐらいの傑作。
イースター島、アステカ文明、グリーンランド、アイスランド、日本・・・滅びてしまった文明、逆に存続する事に成功した文明を、環境破壊、宗教、人口、政治、自然災害いろいろな視点から考察し、今の社会の未来をも考えようという本。
昨年読んだ「ジェノサイドの丘-ルワンダ虐殺の隠された真実」で、フツ族とツチ族が殺しあったのは、植民地支配をやりやすくする為に植え付けられた民族意識と差別が原因となっていたが、この本では、フツ族がフツ族を殺したケースなども検証し、ルワンダにおける人口増加と虐殺との関係について論じている。
この本を読んで怖いと思ったのは、明らかに破滅への道を歩んでいるとしても、実際破綻が目の前に提示されなければ軌道修正することが難しい人類の歩みである。
存続に成功したある島では、島で貴重な存在だった豚の飼育を一切止めた。豚が消費する食料は、豚からとれる肉の量より多いからだという。この英断が島の存続に大きく関係しているらしい。
今、未来の為に、生活レベルを自主的に落とせる人がどれぐらいいるだろうか(私自身も含めてだが)。
先進国の生活は、発展途上国からの搾取で成り立ってもいる。発展途上国で次々に切り倒される木々。破壊される環境。
今は背の低い木しかはえていない荒涼たるイースター島は人が移り住むまで緑豊な島だったと著者は推測する。
人が移り住んだ事で密林は切り倒され、剥き出しになった地面は荒れ果て、食べ物は取り尽くされ数々の種が絶滅し、最後には太平洋の隔絶された場所にあるこの島から、他の島に行く為のカヌーを作る木すらなくなってしまった。そして、イースター島の文明は滅びた。
イースター島を地球に置き換えて見るとゾッとする。グローバル社会である現在、地球にある資源を消費し尽くし、破壊してしまった時、私達人類はまるで島に取り残されたイースター島の住民と同じ立場に置かれてしまう気がする。
とにかく、いろいろ考えさせられた本。お勧め!!!

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