「アフリカ 忘れ去られた戦争」世界は平和ではない [本ノンフィクションいろいろ]
- 作者: 亀山 亮
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/02
- メディア: 単行本
- 6.5点
第二次世界大戦が終わって60年。日本人は平和ボケしていると言われている。確かに、日本は平和である。
しかし、世界を見渡して見れば、イラク戦争だけではなく、様々な紛争や内戦が起きている。
特に、アフリカでは現在も混乱している国もあれば、紛争終結後もまだまだ悲惨な環境に置かれている人々もたくさんいる。
そういう事実を多くの人に知って欲しいと書かれた本がこの「アフリカ 忘れ去られた戦争」である。アンゴラ、リベリア、シエラレオネを中心に、内戦や紛争の犠牲者の悲惨な状況を写真と文章で綴っている。
駆け足の取材という事で、その国や紛争の詳しい説明がある訳ではなく、物足りなく感じる部分はあるが、暴力と飢えに支配された悲惨な国が数多くあるという事を知るきっかけとしてはいい本だと思う。
写真半分、文章半分の構成なので、読みやすくもある。
「海外ブラックマップ」などの旅行記には決して出てこない都市名。なぜなら旅行者が行く事ができないほど危険だからだ。
外務省の海外安全ホームページでも、「海外ブラックマップ」で危険な都市と紹介されているナイロビやヨハネスブルクは、注意喚起がされているだけだが、シエラレオネやリベリア、アンゴラなどは国土全域に渡航の是非や延期を勧める警告が出されている。
実は、この3国はまだよいほうで、無政府状態のソマリアなどは全土「退避勧告」(地図を見ると真っ赤)だ。
このような国がある事を、そのような悲惨な状況に置かれている人達が、子供達がたくさんいる事を知るのも大切だと思う。
問題は、苦しんでいる人々を援助しようと資金援助をしても、その使い道がはっきりしなかったり、軍備に使われてより状況を悪化させてしまうという事もある事だ。まだまだ出口が見えない国が多いのが辛い。
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