「ラットマン」道尾秀之:地味だけどグッと来る話 [本:ホラー&ミステリー]
タイトルと表紙から、「ラットマン」という泥棒とか殺人犯とかそんなのが出てくる話なんじゃないかと思って読んでみたら、全く違ってた(^^;)。
ミステリーだけど、胸躍るようなスリリングでワクワクする展開があるわけでもなく、話は淡々と進む。
売れないバンドをやっている主人公には、人に言いたくない家族の秘密があった。
しかし、恋人の死によりそれと向き合うことに・・・。
一人一人の人生には、それがどんなに平凡に見えたとしてもドラマがある・・そんな事を感じさせてくれる本。
登場人物は少ないけど、一人一人の人となりがしっかり描かれている。
作中、曖昧にされていて気になることが判明すると同時に、また次の曖昧なことが提示される・・・という展開なので、どんどん先を読みたくなる本でもある。
また心理学と絡めた、タイトルのつけ方も秀逸。
地味な話なのに、深く胸に来て、読後の余韻も強い。
お勧め!!
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