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「食と文化の謎」ヒンズーの牛神聖視からカニバリズムまで・・ [本:歴史]

食と文化の謎 (岩波現代文庫)

食と文化の謎 (岩波現代文庫)

  • 作者: マーヴィン ハリス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/10
  • メディア: 文庫

7.5点

ヒンズー教は何故牛を神聖視し食べる事を禁止しているのか?
イスラム教は何故豚を嫌悪し、食べる事を禁止しているのか?
フランス人は馬肉を食べるのに、アメリカ人やイギリス人は馬肉を食べるのを嫌がるのか?
ペットとして可愛がっていてもそれを食べてしまう人々と、ペットを食べることを信じられない事として食べない人々の文化の違いは?
昆虫食は嫌悪すべきものなのか?食べない西洋人の方が少数派ではないのか?
人肉食(カニバリズム)が起きる文化的背景とは?

などなど、いろいろな視点から、食と文化の関係について考察した本。
食といっても、食全般ではなく、主に「動物性たんぱく質」の摂取について書かれている。

この人の著書「 ヒトはなぜヒトを食べたか―生態人類学から見た文化の起源 」を10年以上前に読んだので、何となく知っている部分は多かったけど(読み出してから、同じ著者だと気がついた(^^;))、この本よりいろいろな角度から考察してあり、面白く読めた。

ただ、訳者が後書きで「多くの人類学者が、ハリスを、うさんくさく、忌むべき物とタブー視している」というような事を書いているのに、頷いてしまう側面も。

著者ハリスは、食と文化の関係を、コスト(代価)とベネフィット(利益)で説明しようとしている。
インドの貧しい農民にとって、ミルクを出し、畑を耕してくれる牛を食べることは、経済的損失が大きい・・(他にもいろいろな説明があった)、牛を食べないほうが長期的に見て利益があったことが、牛を食べないにつながったなど、ほとんどの事例に、コストとベネフィットの関係を持ち出している。

なるほど~と思う部分もあるけど、これは強引じゃないの?自分に都合のよい例だけ出してるんじゃないの??って思ってしまうこともしばしば。

それでも、肉食に関する歴史的・民俗学的・地理的、いろんな視点からの膨大な事例や知識が詰め込まれていて、読み物として面白い一冊。

お勧め!

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