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「世界の食文化4-ベトナム・カンボジア・ラオス・ミャンマー」文化の繋がりと広がりがよくわかる! [本:歴史]

世界の食文化 (4) ベトナム・カンボジア・ラオス・ミャンマー

世界の食文化 (4) ベトナム・カンボジア・ラオス・ミャンマー

  • 作者: 石毛 直道
  • 出版社/メーカー: 農山漁村文化協会
  • 発売日: 2005/01
  • メディア: 単行本


7.5点

ベトナム・カンボジア・ラオス・ミャンマーの現在の食文化を調査・比較し、その共通点や違いから、歴史的背景と食文化の広がり方・影響を推測している本。

元々中国南部に住んでおり、追われて南下したと言われているベトナム人の食卓は、中国の影響が色濃く出ているという。
それは、食材や調理方法などだけではなく、調理器具にも現われている。

ベトナム南部は、クメール王国であった時期が長く、逆にタイやインド系の東南アジア文化が色濃く残っている。
なのでベトナム北部と南部では、かなり料理も味も違うらしい。

また、カンボジアの料理は、タイとラオスとベトナムを足して3で割ったような料理と評している。 そして、これは周囲から影響を受けたのではなく、カンボジアの元であるクメール王国の歴史の古さから、カンボジアがその料理の起源であり、その周辺の国々に影響を与えたのではないかと推測している。

東南アジアのこの4カ国は、ほぼご飯文化の国なので、日本との共通点も多い。

いまはそうとも言えないが、「しょっぱいおかずで大量のご飯を食べる」というのは、昔の日本の食文化と同じである。

でも同じご飯文化といっても、もち米が主食であるラオス、米を炊いて食べたり、米粉にして麺にしたり、薄く延ばしてライスペーパーにしたりと食べ方が多様なベトナム、白米を食べる傾向が強いカンボジア、米を食べるためにおかずが存在する・ふりかけのようなものだけでもオーケーというように大量の米を食べるミャンマーと、国毎に違いがあるというのが面白い。

スパイスの使い方も、辛めなカンボジア(激辛ではないらしい)と違い、マイルドなラオス、使う香辛料が少ないミャンマーなど、その違いを調べ、その文化的背景を探ったりしている。

食文化を見る事で、その国の生活や、地理的影響、歴史的背景や文化の繋がり、そして民族の広がりなど、多角的に考察しようとしているのが、とても面白かった。

世界のお弁当」が物足りなく感じてしまったのは、この本を読んだ後に、読んだからかも。

また、各国のいまの食文化についてもかなり詳しく書いてあるので、これらの国に旅行に行くなんて場合にも参考になると思う。
何カ国か回る人は、この本を読んでいくと、各国の料理の違いがよくわかってより旅行での食事が楽しめそうでもある。
日本人の口には合わないと言われているミャンマーの食事について、特にそう言及していないのは、著者が平気だったのか、それとも敢えて書かなかったのか気になるけど(^^;)。


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