「アフリカを食べる」松本仁一:何でも食べる著者に脱帽 [本ノンフィクションいろいろ]
7.8点
記者である著者がアフリカに駐在していた時食べた物を紹介しているコラム。
最近、この本と、もう一冊の本が一緒になって「 アフリカで食べる/アフリカで寝る 」という本が発売されたらしい。
学術的な本ではないので、食の文化について詳細に突っ込んで書いてある訳ではないが、逆に読みやすく、またその断片から見えるアフリカの人々の食生活が楽しい。
ケニアでは、飲み屋で、注文した酒を一口のんで、他の客全員に回す、回し飲みがマナー。
ふと気が付くと、その回し飲みの中に、風土病で顔が崩れ落ちた老人が混じっていた・・・でも気にせず飲み続けた著者はすごい。
牛の血を牛乳と混ぜて飲むのを常食としているマサイ族に同行した時も、寄生虫を心配しながらも、それをマサイ族の若者と一緒に飲んだりしている。
「奇食・ゲテ食物」の最高峰という感じだけど、それだけではなく、アフリカ諸国の抱える問題点なども、食べ物エピソードの合間に見え隠れする。
また、著者の目が限りなく優しく、大らかなのも読んでいて心地よい。
お勧めの一冊!
コメント 0