SSブログ

「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」病んだアメリカの現状 [本ノンフィクションいろいろ]


アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

  • 作者: 町山 智浩
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/10/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

7点

聖書の教えに反するとして進化論を教えられない学校があったり、
選挙中、対立相手の根も葉もない噂を広めたり(この前の大統領戦もすごかった)、
イラク戦争で一番儲けたのは、チェイニー副大統領の関係する会社だったり、
高性能の電気自動車が石油産業(ブッシュ大統領と関係が深い)保護の為なのか、突然回収されたり、
政府よりの報道しかしないマスコミがあったり・・・・とにかく、アメリカの病んだ部分をこれでもかっ!と
並べ立てた本。

アメリカの病んだ部分を取上げた「ルポ・貧困大国アメリカ」と似ているし、
内容が被っている部分もあるけど、
「ルポ・貧困大国アメリカ」が、ある程度1つの事例を掘り下げているのに比べると、
こちらは、もっと浅く「事例の羅列」という感じ。
読みやすいと言えば読みやすい。
センセーショナルな記事を扱った週刊誌の記事みたいだなーと思ったら、
著者の雑誌連載をまとめたものらしい。

著者が自分で調べたというよりは、アメリカに住んでいて見聞きした事例をまとめたんじゃないかな?
CBSニュースなどで見た内容もいくつもあった。

ホワイトハウス晩餐会で、ブッシュ大統領を褒め殺しにした
スティーブン・コルベールのスピーチも、取上げられていた。
「国民をコントロールしない国が素晴らしいと思います。アメリカはイラクに素晴らしい政府を作りました」
はじめ、本人を目の前にここまで言っちゃうの?という素晴らしいスピーチでした。

興味のある方は、ここで、スピーチの訳が読めます。
最高だよV(≧∇≦)V!

映画評論家としても活動している著者らしく、
アメリカの問題点を取上げたマイナーな映画に関する記述も多い。

前述した電気自動車が消えた事を追ったドキュメンタリー映画「誰が電気自動車を殺したのか?」、
マクドナルドを一ヶ月食べつづけるとどうなるか監督自らが試した「スーパーサイズミー」の監督
モーガン・スパーロックがイスラム圏に乗り込み撮った
「オサマ・ビン・ラディンは世界のどこにいるの?」など、
知らなかった映画も多く、「うわー、こんな映画があるんだー!見たい~!」と参考になった。

「30Days」という、30日間何かにチャレンジするスパーロックのテレビ番組についての話も。
初回は、スパーロックが恋人と「最低賃金で暮らす」ということにチャレンジ。
アルバイトを見つけ、生活も限りなく切り詰め、売れ残りを貰ったり、
賞味期限切れや傷物を貧困層に配る列に並んだり、最初は順調に見えた二人。
しかし、スパーロックが怪我をし、恋人が体調を崩したあたりから事態は一変。
医療保険が民間しかないアメリカでは、貧民層は医療保険には入っておらず、
治療を受けると高額な費用がかかる。
結局、一ヶ月後には借金だけが残ることに。
スパーロックの体験は、一ヶ月だけのものだったけど、
このケースと全く同じように、ちょっとした怪我や病気で借金まみれになり
転落していく人がアメリカは多いらしい。

ここで取上げられている事は、アメリカの一面なのだろうけど、
それが積み重なって大病になっているのが今のアメリカだという気がする。
アメリカを見習え見習えとやってきた日本が、こうならない事を祈るばかり(>_<)。

そうそう、歴代最悪の大統領と、いろいろな所で言われているブッシュ前大統領。
「チェイニー副大統領に、いいように操られているだけ」という記述には納得。
今までの行動とか「ブッシュ妄言録」を読む限り、
自分の考えだけで、ここまでできるようには思えないし。

アメリカの病んだ現状をざっくり知りたい人にお勧め。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。